「あの人がいるとなぜか会話が盛り上がる」と言われる人がさりげなくしていること
近年、「頭の回転の速さの象徴」としてお笑い芸人が多くの場面で活躍をしている。そんなあらゆるジャンルで活躍をし続けるお笑い芸人たちをこれまで30年間指導し、NHK『プロフェッショナル 仕事の流儀』でも話題になった伝説のお笑い講師・本多正識氏による『1秒で答えをつくる力』が人気を博している。ナインティナインや中川家、キングコング、かまいたちなど今をときめく芸人たちをこれまで1万人以上指導してきた本多氏の仕事に対する考え方をオリジナル記事としてお届けする。 ● 「おしゃべり=コミュ力が高い」ではない おしゃべりというわけではないのに、コミュニケーション能力が高い人がいます。こういった人が1人いると会話は盛り上がります。 こういった人はどういった特徴を持っているのでしょうか。今回は一緒に見ていきましょう。 まず、コミュニケーション能力がそこまで高くない人でも、喋るのが好きな人はたくさんいます。ただそういった場合、会話のキャッチボールというよりも「話したいことを話す」傾向が非常に強いです。 会話を盛り上げようとしているのはわかりますが、相手は一方的に話を聞かされているだけになりますから、微妙にストレスを感じてしまいます。皆さんもダラダラと自分の話ばかりする人と飲み会の席で一緒になってしまい、疲れた経験を持っているのではないでしょうか。 このことからもわかるように、おしゃべりが上手いかどうかはコミュニケーション能力においてそこまで重要ではありません。もちろん、喋るのが得意であることに越したことはないですが、それはあくまでオプション的な要素でしかないということです。
● 主導権を握るよりも「相手にストレスを与えない」ことが大事 対して、おしゃべりではなくともコミュニケーション能力が高い人は、相手のリズムや感情に合わせて会話をすることができます。 自分が会話の主導権を強く握ることよりも、相手にストレスを与えないことに重きを置けるので、無茶な話し方をすることはありません。 これは私のいるお笑いの世界でも同じなのですが、「トークバラエティに出たい!」と言う芸人ほど、おしゃべりに磨きをかけようとします。「この順番でこう話したら面白いのではないか」と考えたり、努力したりするのはいいことですが、大抵の場合うまくいきません。 なぜなら、トークバラエティも人との会話で成り立っているからです。途中で誰かがツッコんでくれたり、深掘りしてくれるからこそ面白い番組になるわけで、1人で完結できるならそれはネタとして披露すべきです。 トークバラエティに引っ張りだこになる芸人ほど、ちゃんと人の話を聞く、会話のリズムを把握するなどの基本的なことを大事にしています。 ちょっとしたことですが、効果は大きいので、頭の片隅に入れておいていただけますと幸いです。
本多正識