春キャベツが1玉1000円超えも…価格高騰のカラクリと異常事態の行方
みずみずしく、シャキシャキした食感と甘みを楽しめる。今が旬の春キャベツの値段が、高騰している。 いま食べたい!「シン餃子」とは…超人気店「味坊」の梁宝璋さんが提案する自由な発想 3月上旬から春キャベツの値段が徐々に上昇しており、安い時は1玉150円から200円ほどで買えるキャベツが、2~3倍の値段になっている。都内の青果店では1000円なんて値段も見られ、まさに異常事態だ。 現在のキャベツの流通状況について、農林水産省の園芸作物課はこう話す。 「市場に出回る量が少なく、平年の流通量は5月上旬で4908トンですが、今年は4058トンと、2割も減っています。そのため、東京中央卸売市場のキャベツの卸売価格は、14日時点で平年比277%と、3倍近くになっています」 供給不足による極端な値上がりは、春キャベツの主な産地である神奈川県、千葉県での天候不順が原因だという。 「2月には暖冬の影響でキャベツの生育が早まり、出荷が前倒しされました。しかし、3月になると寒い日が続き、生育が滞ったことで出荷するキャベツが不足しがちに。供給に穴があいたところに追い打ちをかけたのが、4月の天候不順でした。気温の高い日や雨が多く、高温多湿な環境にさらされ、品質が劣化してしまい、出荷できないキャベツが多く出てしまった。価格の高騰は、こうした気象事情が重なった結果です」(園芸作物課) ■ラーメン、ギョーザ、とんかつを扱うお店は悲鳴 豊洲市場の関係者は「取引先の飲食店は悲鳴を上げている」と、こう言う。 「一般家庭なら、値段が高ければ買わなければいい。でも、外食産業、特にラーメン、ギョーザ、とんかつを扱うお店では、キャベツはなくてはならない食材。高くても買わざるを得ず、どこも大変な思いをして仕入れているようです」 高騰は今がピークのようだ。 「5月からは茨城県産キャベツの出荷が増え、夏に向けては長野県や群馬県など、標高の高い地域に産地が切り替わります。6月中旬にはだいぶ、価格が落ち着くとみていいでしょう」(園芸作物課) ただ、こんな心配な話も。スイカの産地、神奈川県などではキャベツの収穫が遅れると、スイカの植え付けもその分遅れ、栽培に影響が出るようだ。