乃木坂46・与田祐希、効果抜群のヤンキー対策で映画『OUT』に挑戦 自身の最新チャレンジは「世界一周のための英会話」
乃木坂46の与田祐希が出演する映画「OUT」が11月17日(金)に公開される。本作は累計発行部数650万部を超える同名ヤンキー漫画を原作に、映画「ドロップ」で大ヒットを打ち出した品川ヒロシが監督・脚本を担当。「ドロップ」にも登場した伝説の不良・井口達也(倉悠貴)のその後を新たな仲間たちとの絆を通して描く青春ムービー。与田は、達也と出会うヒロイン・皆川千紘を演じる。「量産型リコ -プラモ女子の人生組み立て記-」で自然体の演技が評価された与田だが、今回は普段の彼女からは遠い強めの女子。未知の世界だったというヤンキー映画にどう飛び込んだのか。役への向き合い方や現場の光景、そして、今の自分のチャレンジについて語ってもらった。 【撮りおろし10枚】上目遣いでカメラを覗き込む与田祐希 ■ヤンキー対策に不良の動画を観てから現場入り ――まずはオファーを受けたときの心境からお聞かせください やっぱり最初は不安が大きかったです。こういうヤンキーの世界を知らないし、漫画や映画とかで少し見たことがあるくらい。この雰囲気の中に自分がちゃんと入れるのか不安はありましたが、知らない世界だからこそワクワクして楽しみでもありました。 ――原作を読んだ印象はどうでしたか? 血なまぐさいというか、衝撃でしたね。今まで漫画と言えば少女漫画で、少年漫画でも「ONE PIECE」みたいな誰でも読みやすい作品しか読んだことがなかったので、これが実写になるとどうなるんだろうと、想像が難しかったです。 ――演じる千紘は普段の与田さんとはだいぶ違う性格だと思います。役作りはどのようにしましたか? 見た目の部分ではメイク。アイドルのときはかわいらしさを出したいと思ってメイクをしていますが、今回はちょっとキリっと強めのメイクをしています。というか、現場に行くと周りがそういう環境になっていて、あのヤンキー集団の中にいると自然とアイドルの感じにはならないですね(笑)。最初は(そんな現場が)すごく怖くて、でも、千紘ってヤンキー相手にも物怖じしない女の子だから、怖がっちゃダメじゃないですか。だから慣れなきゃと思って、YouTubeで「不良」と検索して、ヤンキーの映像を観てから現場に行きました(笑)。 ■役作りは強めだった地元の頃を思い出して ――自分の中に役を入れるときはどのようにされているのですか? 私は完全に1人で、家で台本を読みながらですね。自分との共通点を見つけだしたり、千紘だったらこうするかな、みたいな気持ちが不意に出ることもありました。日常生活にヤンキーが出たら職業柄よくないので、気をつけながら、ちょっとしたときにですが…(笑)。 ――普段使わない乱暴な言葉や迫力を出すといったところで、難しさはありませんでしたか? 地元にいた頃を思い出しました。元ヤンみたいなことじゃなくて(笑)。子供の頃は弟や幼馴染みとケンカみたいになるときがあって、わりと強めな子だったんです。それでそのときの友達に連絡して、「私って怒ったとき、どんなだっけ?」と聞いたら、田んぼに突き落とされたと言われました(笑)。 ■千紘と達也、2人の関係も見どころ ――撮影現場の雰囲気はどのようなものでしたか? 見た目はヤンキーの現場ですけど、みんな和気あいあいとしていました。休憩中にはストーブを囲んで暖を取りながらスルメを焼いたりもしましたね。かなり寒い時期の撮影で、やはり寒いとストーブに集まるじゃないですか。なのでいい距離感でいられて、暖まりながら何気ない雑談をしたり、そういう現場でしたね。 ――試写はご覧になったということで、映画の感想を教えてください。 まず格好いいです。そして爽快感がすごいです。音楽が山嵐の武史さん、主題歌もJO1さんのサウンドなので、ケンカのシーンは見ていて痛々しくはありますが、スカッとした気持ちにもなるんです。千紘は強い性格のヒロインですけど、女の子の弱さもあって、そんな千紘をヤンキーたちがみんなで守ろうとしてくれる。囚われた千紘を助けるためにみんなが乗り込んでくるところは特に迫力があって、食い付いて観ちゃいました。 でも、千紘はヤンキーもケンカも嫌いなんですよね。だから達也とはちょっと複雑な関係で、そういう2人のドラマも見どころです。あとはコミカルな部分。ちょこちょこクスっとしちゃうシーンが入ってきて、そのバランスが絶妙です。 ■世界一周のために英会話にチャレンジ中 ――今年は本作のほか、俳優では「量産型リコ -もう1人のプラモ女子の人生組み立て記-」の主演もあり、モデルとしては東京ガールズコレクションをはじめとしたお仕事も充実していました。将来、どの道に進みたいか、考えてはいますか? はい。ゆくゆくは海外に行って、平和に過ごしたいなと思っています。 ――俳優でもモデルでもないですね。予想外すぎました。 ですね(笑)。今はそのために英語を学び始めていて、まだ1カ月程度ですが、将来的には日常生活に困らないくらいの英語力を身に付けて、世界一周をしてみたいです。 ――それは昔からの夢ですか? 過去になかった発言だと思います。 昔からというわけではなくて、最初はなんか海外に行きたいな、くらいの気持ちだったんです。もともと海外には興味があったし、色々な景色を見て、色々な人と出会って、色々な経験をしたいと思ってはいたので…。それだったら世界一周が楽しそうだし、人生まだ長いから、1度くらいできるんじゃないかなと思って。わりとなんでも挑戦したいタイプで、普段から定期的に新しいことを始めているんですよね。ギターを覚えたり、1人旅をしたりとか。英会話はそういった中での最新チャレンジです。 ■注目の後輩は最新曲センターの井上和 ――まだ少し早いですが、今年1年はどんな年でしたか? 楽しかったですね。今までも楽しいことはたくさんありましたが、今年は思いのままの自分でいられた感じです。乃木坂46に加入してから7年が経って、いい意味で心にも体にも余裕ができてきた気がします。一杯一杯のときは見えなかったものが見えてきて、そうすると考え方も変わって、学びも大きくなります。だからこそ楽しいと思える1年でした。 ――現在、乃木坂46では与田さんたち3期生が1番上になりました。グループの先輩として、ご自分の役割をどう考えていますか? 私はあまり人を引っ張っていくタイプではなくて、むしろ誰かに付いていくことが多い人生だったと思います。なので、自分が先輩になってどうするかというのはちょっと悩みました。色々考えた結果、私って良くも悪くも圧がないと思うので、後輩から気軽に話しかけてもらえる存在になれたらいいなと思っています。メンバーの個性も色々だし、それぞれ役割があると思いますが、私はそういう感じでいる方が、グループのバランスはいいんじゃないかなと考えています。 ――今、与田さんが注目している後輩メンバーは誰になりますか? 全員がかわいい後輩ですけど、その中でも、というのなら、最新シングルで初センターになったなぎちゃん(井上和)ですね。何かの折に私のことを「お姉ちゃんになってほしい」みたいに言ってくれたようで、「かわいいやつめ!」と思いながら見守っています。 ◆取材・文/鈴木康道 撮影/神保達也