代理出産が引き起こす問題とその背景
■代理出産ビジネスの課題 赤ちゃんを商品として扱う 現在、代理出産にはさまざまな問題が指摘されている。今回のオーストラリア人夫妻のように、障害児が生まれたときの引き取り拒否、最悪の場合、代理母からも拒否され施設に入れられる子供もいる。赤ちゃんを商品としてみているから、“欠陥商品”はいらないということになるのだ。また、代理母の妊娠中や出産後の死亡。赤ちゃんの性別が気に入らない理由で、双子のうち女の子だけを引き取ったケース。自分で妊娠・出産していればあり得ないようなケースが、代理出産では出てくるリスクが常にある。生まれてくる子供が差別を受けるケースもあった。 体外受精という技術が可能にした代理出産ビジネスを全世界的に禁止しない限り、タイのように、貧困につけこんで簡単に代理母を見つけることができ、アメリカよりもはるかに安い費用で依頼することができ、しかも医療レベルが高いとなると今後ブームが収まることはないだろう。 (文責・大野和基)