性暴力の「駆け込み寺」サチコ、医師不在で存続危機 支援団体が府議会に要望書提出へ
久保田理事長らは10月、大阪市内で窮状を訴える記者会見を開催。性暴行の緊急処置は72時間以内の対応が必要とした上で、「現状では、そうした対応ができないところまで追い込まれている。親や学校の先生に被害を言えない女性は多くいる。声なき声を聴き、被害者に寄り添う支援を続けたい」と強調した。
サチコ存続に向け、かつて性暴力被害に遭いサチコに駆け込んだ女性たちも支援団体を結成。約9千人分の署名を集め、12月に大阪府議会に要望書を提出する予定だ。支援団体の関係者は「サチコは24時間いつでも相談できる心のよりどころ。泣き寝入りする被害者が増えないためにも、存続が必要だ」と訴えた。
■ワンストップ支援センター
性暴力の被害者が、医療や心理、法律相談などの専門的な支援を総合的に受けられる。内閣府によると、平成30年には全都道府県に設置され、現在は全国で52センター。産婦人科医療を提供できる病院に置かれた「病院拠点型」、病院から近い場所に相談センターを置く「相談センター拠点型」、相談センターと複数の病院が連携する「連携型」などがある。相談件数は年々増え、令和5年度は前年度比9・5%増の6万9100件。(鈴木源也)