報道されない被災地… 実は“全壊の家屋”も「我慢しなくちゃいけない」住民らを支える民間ボランティアの思い
北陸放送
能登半島地震は、石川県の奥能登以外の地域にも被害の爪痕を残しました。液状化の被害を受けた石川県羽咋市では、ひと目見ただけでは被害が分かりにくい危険な住宅が点在しています。これまで、大きくメディアで取り上げられることが少なかった被災地のいまです。 【写真を見る】報道されない被災地… 実は“全壊の家屋”も「我慢しなくちゃいけない」住民らを支える民間ボランティアの思い 元日の地震で震度5強を観測した羽咋市。全壊の64棟を含むあわせて2635棟の住宅が被害を受けました。 製薬や医療機器などを扱うメーカージョンソン・エンド・ジョンソンの糸岡栄博さん。企業のボランティアのリーダーとして、今月11日から毎週末、東京の自宅と羽咋市を行き来しています。 ■被災と日常が混在するまち ジョンソン・エンド・ジョンソン 糸岡栄博さん 「遠目で見たら絶対にわからないです。ただ街区の中に入っていくとこういう被害出ているのががわかる。私たちも最初わからなかったですこれ」 活動の中で感じたのは羽咋市の被害が外に伝わっていない現状です。 ジョンソン・エンド・ジョンソン 糸岡栄博さん 「ぱっと見やはり豪快な倒れ方、甚大な被害を受けているように見えないのでやっぱり発信しづらいというのもあるかもしれないですし、受け手側も能登とか輪島・珠洲という風になっちゃうのかもしれないです」 被害が点在していることで、被災と日常が混在している羽咋市。住民は、復旧への道すじを求めながら優先されるべきは奥能登と複雑な思いを抱えています。 ■「我慢しなくちゃいけない」住民らの想い 住民 「やっぱりそっち(能登)の方に目が行ってしまうから、(被害が)小さいところは…。奥能登の方大変なんだから我慢しなくちゃいけないっていう、生活できるだけでも家があるだけでも幸せなんだなって」 羽咋市の海側に位置する大川町。液状化の被害を受けたエリアです。 記者 「外見の被害は分かりにくいが、周りの地面が隆起した影響で立ち入り禁止の赤い紙が貼られています」 一見すると被害がないように見える住宅に貼られているのは「立ち入り危険」の赤い紙。そのほとんどが液状化による地盤の沈下によるものです。