菊地吉正の【ロレックス通信 No.241】|ついに逮捕状!ロレックスの多さに驚いた高級時計シェアリング「トケマッチ」
今回は発表も近づいたロレックスの2024年新作について書こうと考えていたのだが、急遽変更して事態が動いた「トケマッチ」について簡単に触れてみたい。 1月末に突然サービスを終了して問題になっていた高級腕時計のシェアリングサービス「トケマッチ」。先日ついに業務上横領容疑で逮捕状が出された。報道各社も軒並み報じているためご存じの人も多いだろう。 筆者もこのサービス自体は2022年から知っていたが、当連載ではあえて一度も触れてこなかった。所有者から預かった高級時計を他の人にレンタルするという仕組みだということを知って、運営会社が倒産して社会問題化した高級車のカーシェアサービスのことが真っ先に頭に浮かんだからだ。同様のことが起こりかねないと。 そのため、その後はこのサービスについてまったく意識していなかったのだが、今回の報道を受けてその被害総額にビックリ。加えて高級時計を預ける人の多さと、被害品リストの大半がロレックスが占めていることについてもさらに驚いた。 筆者自身もそうだが、自分の所有する時計をどんなに仲の良い友達といえども貸そうとは思わない。時計の扱い方は人それぞれだし、何かあったときにお互いに気まずくなるからだ。特にロレックスの場合は、たとえ中古といえども、リセールバリューは定価以上だったりするためなおさらである。 2月中旬だったと思うが、ある修理技術者とメンテナンスの話をしていたときのこと、「そういえばトケマッチって知っていますか」と聞かれた。なぜかと聞くと「メンテ依頼をしてきた会社から、いま預けている時計をすぐ戻してほしいと言われた」と。トケマッチで売りに出された時計の疑いがあるためだったらしい。 ただ聞いたところによると、今回が盗品扱いにならないとすると民法上、知らずに買い取った被害品については即時返還する義務がないらしく、被害者にとってはかなり状況は厳しいということのようだった。