「あなたへの歌」がテーマの紅白歌合戦は、新しい歌に出会うチャンス…初の取材で感じたこと
今年は28~30日の3日間、東京・渋谷のNHKホールで「第75回紅白歌合戦」(後7時20分)のリハーサルが行われた。今年4月に入社した私にとってリハーサルを取材するのは、もちろん初めての経験だった。 【画像】紅白の出場歌手と曲順 5月に芸能担当に仮配属されるまで、エンタメにはあまり触れずに過ごしてきたが、大みそかの紅白は、これまでも一視聴者として毎年、必ず見てきた。新しい歌に出会い、懐かしい歌にも触れることのできる絶好の機会と考えていたからだ。2018年に2人組バンド「いきものがかり」を見た時、小学生の時の運動会の記憶がよみがえり、思わず体が動いたことを覚えている。 様々なアーティストに取材する中で印象に残ったのは、12年ぶり3回目の出場で、08年にリリースしたかなわぬ愛を歌った名曲「366日」を歌唱する沖縄出身4人組バンド「HY」だった。「366日」の発売当時は小学1年生。遅まきながら先月、同曲にインスパイアされて製作された来年1月に公開される同タイトルの映画(新城毅彦監督)のイベント取材を通じて出会った一曲だ。 取材の中では、作詞・作曲を担当したボーカルの仲宗根泉が「恋愛で届けるよりも家族、友情、亡くなった方への愛など、色々な愛を歌えばいいのかなと感じた」と発売からの16年の年月でメッセージが変化したことを明かした。ゆったりとした曲調から始まり、サビには切ない歌詞も含まれた一曲。映画に合わせ、アンサーソング「恋をして」が新たにリリースされた。私も紅白の取材がなければ、「366日」を失恋ソングと考えていたかもしれない。16年前に出会った人もそのように感じているかもしれない。取材を通して裏側を知ることができ、記事として伝えることで読者と共有していきたいと思った。 いよいよ本番を迎える今回のテーマは「あなたへの歌」。私たちも年齢を重ねることで変化し、新たに感じるものがあるのかもしれない。懐かしい歌、新しい歌に触れてみてはどうだろうか。(中西 珠友)
報知新聞社