投打に流れつかめず 追い込まれたソフトバンク―プロ野球・日本シリーズ
敵地の第1、2戦で連勝し、好発進したはずの王者が崖っぷちに追い込まれた。 2勝3敗で後がなくなったソフトバンクの小久保監督は「負けられなくなった、ということ」。自らに言い聞かせるようだった。 【写真】8回、試合を見詰めるソフトバンクの小久保監督 投手陣が良いリズムをつくれない。先発の大関はなかなかストライクを先行できず、計4四死球で3回持たずに降板。救援陣も失点を重ねた。1敗目を喫した第3戦も同様に、投手が8四球を与えていた。短期決戦で一度相手に傾いた流れを戻すのは簡単ではない。 自慢の強力打線も息を潜めたままで、26イニング連続の無得点。22歳の笹川を1番に入れるなど打順変更も実らなかった。七回2死二、三塁の好機で周東は二ゴロに倒れ、一塁を駆け抜けると悔しそうにヘルメットを投げつけた。 日本シリーズでの3連敗は、ダイエー時代の2003年以来。王貞治球団会長が監督だった同年は、2勝3敗から阪神を逆転で下し、日本一に輝いている。「今年最後の試合だと思って頑張ろう」と王会長。下を向いている暇はない。