選手村では「不安で震える日々」。パリでは金3つの"体操界の絶対女王"(27)が、胸の内を明かす
オリンピック史上、女子体操選手として最もメダル獲得数の多いシモーネ・バイルズ。しかし彼女は、今回のパリオリンピックで金メダルを獲得するまでに多くの困難があった。メンタルヘルスの問題で棄権を余儀なくされた東京オリンピックから3年。彼女が選手村で感じていた大きな不安、重圧について率直に明かした。 【写真】衝撃...!シモーネ・バイルズの夫、妻のために「愛に溢れたタトゥー」を入れる バイルズは先日、体操女子個人総合の決勝戦の前に、TikTokで1本の動画を投稿。「すごく緊張しているけど、これは予想していたこと。今朝、セラピーを受けて少しマシになった。私は精神的にとても努力して、この瞬間までたどり着いたわ」とコメント。ひどい不安感に苛まれ、「選手村では、ほとんど外へ出ていない」のだと言う。 「選手村に来た初日、カフェテリアへ行ったら、たくさんの人にひっきりなしに"写真を撮っていいか"と聞かれた。それで、着席して食事しようとしたら、今度は途端に不安感に襲われて自分の体が震えていた」と言う。そのため、この5日間カフェテリアには行っておらず、食糧を買い込んで自室内で食べていたという。
「お店で食料を買い込んで、ずっとこの部屋の中にいる。だってすごく不安になるから」。注目されることで「精神的に打ちのめされる」気分になるのだという。 今回で3度目のオリンピックとなるバイルズは、心と体が一致しなくなり、自分の位置や姿勢がわからなくなってしまう危険な状態“ツイスティ”を経験。それにより東京2020オリンピックを途中棄権して以来、メンタルヘルスの重要性を強く提唱してきた。直近では、個人総合の前に瞑想する写真をインスタグラムに投稿し、彼女にとってメンタルヘルスがいかに重要であるかを再認識させた。 競技の前に、メイクをして支度を整えながら、軽く会話もしていたバイルズ。27歳の誕生日にボトックスをやって悲惨なことになった経験を振り返ったり、メイクのテクニックを披露したり、新たなオリンピックタトゥーのアイディアを明かしたりしていた。五輪のタトゥーは既に入っているため、次は「パリに贈る」デザインを考えているとのこと。 そして挑んだ決勝戦では見事、金メダルを獲得。「絶対女王が、五輪のマットに帰ってきた」、世界中のファンにそう感じさせる感動の瞬間でもあった。 今大会で3個の金メダルを獲得したシモーネ・バイルズは、自身が抱えるメンタルの問題を、自分自身で見つめなおし、コントロールできる最強女王へと進化を遂げている。圧倒的な強さと内に秘める不安を抱きしめて、パリの地で再び輝きを放っていた。
From: Harper's BAZAAR US