シタデル創業者グリフィン氏、米名門大学で広がる抗議デモを批判
(ブルームバーグ): 米ハーバード大学の卒業生で大口寄付者のケン・グリフィン氏は、名門校のキャンパス内で広がる抗議デモについて、「機能不全の教育制度」の産物だと批判した。
米コロンビア大学は先週、キャンパス内の建物を占拠した親パレスチナ派のデモ参加者を取り締まるため警察に介入を要請。それから1週間もたたないうちに、大学全体での大規模な卒業式の中止が発表された。ハーバード大学はデモ参加者に対し、キャンパス内での野営をやめなければ、停学を含む処分を受けることになると通告した。
グリフィン氏は6日、ミルケン研究所主催のグローバルカンファレンスで、キャンパス内で広がる抗議デモについて、「大胆さに困惑している」とし、「学生らはホールの1つを占拠し、破壊行為に及び、人道支援を求めて交渉しようとしている」と述べた。
同氏は、ハーバード大が「非常に公的でかつ徹底的な方法で能力主義にあらためてコミットするまで」寄付を控えるという自身の決定に変わりはないとした。
ヘッジファンド、シタデルの創業者であるグリフィン氏は昨年、ハーバード大学に3億ドル(約460億円)を寄付。同氏は今年に入り、同大が大幅な改革を行わない限り、今後は財政支援をしないと述べていた。
イスラム組織ハマスが昨年10月7日にイスラエルへの奇襲攻撃を行い、その後イスラエルがパレスチナ自治区ガザで報復攻撃に動いて以降、米国各地の大学で混乱が広がっている。大学の指導者らはここ数週間、警察の介入を要請したことに対し、強硬な取り締まりとの批判を招いている。
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原題:Griffin Sees ‘Failed Education System’ Playing Out in Ivy League(抜粋)
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Janet Lorin