大低迷…。欧州でまったく輝けなかった日本人選手(1)~(5)満を持して移籍も…。思い通りの活躍は叶わず
FW:宇佐美貴史 生年月日:1992年5月6日 主な在籍クラブ:バイエルン・ミュンヘン、ホッフェンハイム、アウクスブルク、デュッセルドルフ ガンバ大阪育成組織の最高傑作とも称され、16歳でトップチーム昇格を果たした逸材である宇佐美貴史にとっても欧州で活躍し続けるのは難しいことだった。宇佐美は2010シーズンにJ1で7ゴールをあげてベストヤングプレーヤー賞を獲得すると、翌2011年夏に強豪バイエルン・ミュンヘンに期限付き移籍して欧州初挑戦を果たした。 しかし、世界屈指のタレントが集まるバイエルンでは出場機会に恵まれず、シーズンを通してリーグ戦の出場が3試合となってしまった。翌2012/13シーズンからは同じくドイツのホッフェンハイムでプレーすることとなったが、シーズン終盤にかけてプレー時間を減少させて20試合出場2ゴールの成績でフィニッシュとなり、古巣ガンバへの帰還を選択する。 Jリーグに復帰すると、宇佐美は2014シーズンの国内三冠に貢献し、翌2015シーズンはJ1でのキャリアハイとなる19ゴールをあげるなどそのポテンシャルを発揮し続けた。好調の宇佐美は2016年7月、アウクスブルクに移籍して欧州再挑戦に踏み切った。 だが二度目の挑戦でも苦戦してしまう。アウクスブルクでは11試合の出場で無得点に終わった。2017/18シーズンからプレーすることとなったデュッセルドルフでも加入初年度こそ8ゴール3アシストの成績でクラブの1部昇格に貢献するが、翌2018/19シーズンはプレー時間を減少させて1ゴールという結果に終わってしまう。宇佐美はこのシーズンを最後に欧州での再挑戦に幕を下ろした。
MF:井手口陽介 生年月日:1996年8月23日 主な在籍クラブ:リーズ・ユナイテッド、クルトゥラル・レオネサ、グロイター・フュルト、セルティック 2018 FIFAワールドカップアジア最終予選のオーストラリア代表戦でダメ押しの2点目をあげて、日本代表の本大会出場を大きく手繰り寄せた井手口陽介にとっても欧州挑戦は難しいものとなった。 ガンバ大阪と日本代表で定位置を掴んでいた井手口は2018年1月にリーズ・ユナイテッドに完全移籍した。スペインのクルトゥラル・レオネサへの期限付き移籍を経て加入2年目の2018/19シーズンからリーズでプレーすると思いきや、新たに就任したマルセロ・ビエルサ監督の信頼を勝ち取ることができず、ドイツ2部のグロイター・フュルトへの期限付き移籍を決断した。デビュー戦でゴールを奪う幸先の良いスタートを切ったが、右膝後十字靭帯断裂の大怪我を負ったことにより長期の欠場を強いられてしまう。結局このシーズンを最後に井手口の1度目の欧州挑戦は幕を閉じた。 古巣のガンバに帰還して再び主力としてプレーするようになった井手口は、2022年1月にセルティックへ移籍して2度目の欧州挑戦に踏み切った。しかし、同時に加入した前田大然や旗手怜央がすぐさまフィットした中で、ここでも井手口は負傷の影響もあり定位置を掴めなかった。約1年間の在籍で出場は6試合のみという結果に終わり、シーズン途中でアビスパ福岡に加入となった。 だが井手口は福岡で息を吹き返した。公式戦32試合に出場し、YBCルヴァンカップ決勝戦でもフル出場してクラブの初タイトル獲得の立役者の1人となった。井手口は欧州で2度の憂き目にあったが、まだ27歳だ。これを糧に日本で輝きを取り戻し、再び日本代表へと返り咲くことができるか。