別府市の末広温泉に回数券とアートグッズ自販機 新たな交流、地元作家を知る場に
大分県別府市末広町の共同温泉「末広温泉」前に、地元作家のアートグッズと入浴回数券を販売する自動販売機が設置された。番台の確保が難しいなどの課題を解決しようと、末広温泉組合長で画家の勝正光さん(42)が知恵を絞った。地元作家を身近に感じてもらい、温泉を通じた新たな交流にもつなげたい考えだ。 市内の共同温泉は組合員の減少や管理者の高齢化などで運営が難しくなっている。市温泉課によると、運営費の多くを占める番台を無人化する温泉は多く、料金箱や防犯カメラを設置して対応しているという。 末広温泉も人件費を減らすため番台を置かず料金箱で対応。番台不在では回数券の販売が難しいため、自販機の設置を思いついた。 同温泉のある南部エリアは作家の活動や制作拠点が年々、増加。大阪出身の勝さんも移住して制作活動を続ける一人で、別府のアートの魅力を知ってもらう機会にもしようとグッズ作りに人脈を生かした。 市内の作家がデザインしたタオルやTシャツ、竹工芸のキーホルダー、回数券など8種類を購入できる。価格は350円から2千円。今後もグッズの種類を増やす。売り上げは作家の収入や温泉の運営に充てる。 同温泉は管理者の体調不良でいったんは閉鎖。再開を求める声を受け、約1年の休みを経て2021年4月、勝さんが組合長を引き受けて再開した。 勝さんは「共同温泉は地域の宝。自販機を通じて、新しいコミュニティーの拠点づくりや共同温泉文化の周知にもつなげたい」と話している。 <メモ> 入浴料は200円。回数券(6回)は千円。営業時間は午前7~11時、午後2~10時。毎月15日は休み。