シリアで衝突、17人死亡 暫定政権、国民融和に難しいかじとり
在英のNGOシリア人権監視団(SOHR)は26日、シリア西部タルトス周辺で25日、アサド前政権を支持する武装勢力と暫定政権の治安部隊が衝突し、計17人が死亡したと発表した。各地でアサド前大統領と同じ少数派のイスラム教アラウィ派による大規模な抗議デモが発生。多数派のイスラム教スンニ派が主導する暫定政権は国民融和を掲げるが、少数派の統合に向け、難しいかじとりを迫られている。 【写真】アサド政権が注力した麻薬ビジネス 「貧者のコカイン」工場の内部は SOHRによると、暫定政権の治安部隊が、アサド前政権下で政治犯が収容されていた刑務所での非人道的な行為に関与したとして、前政権幹部を拘束しようとしたところ、前政権側の武装勢力に襲われ、衝突に発展した。治安部隊員14人と武装勢力3人の計17人が死亡したという。 暫定政権は「奇襲を受けた」との声明を発表。「シリアの安全と国民の生活を侵害する者には、鉄拳をもって対処する」と強調した。シリア国営通信は、暫定政権が26日にタルトス周辺で軍事作戦を展開し、「アサド政権の残党を多数無力化した」と報じた。
朝日新聞社