大谷翔平から大金を盗んだ令和最悪の裏切り者・水原一平…スター通訳が奈落へ墜ちた裏にある「心の闇」
「大谷選手とドジャース、MLB、そして家族に謝罪したい」 スーツ姿でロサンゼルスの連邦地裁に出廷した男の足首には、足錠がかけられていた。弁護士を通じてかつての盟友らに謝罪の気持ちを表明した水原一平容疑者(39)は、法廷内で終始虚ろな表情を浮かべ、閉廷後に予定されていた報道陣の取材に応じることもなく姿を消した。 【この時から…】選手と通訳の関係以上…大谷翔平と水谷一平氏「車内での親密」写真 「水原氏には、’21年から今年1月にかけ、通訳という立場を利用して大谷翔平選手(29)の口座から1600万ドル(約24億7000万円)を超える不正送金を行った銀行詐欺の容疑がかけられています。水原氏はわかっているだけで約280億円をギャンブルにつぎ込み、収支はマイナス63億円にも達します。こんなに巨額の詐欺トラブルは、アメリカでも非常に珍しいですよ」(米現地メディア記者) 「僕はもうおしまいだ」。人生を破滅させる違法ギャンブルの沼に、水原容疑者はなぜハマってしまったのか。アメリカのNCPG(全米国家賭博問題対策協議会)会長のキース・ホワイト氏はこう話す。 「アメリカには違法なブックメーカーが数十万ある。違法業者は莫大な資産を持つ人々を巧妙に勧誘し、大金をつぎ込ませる術に長(た)けています。スポーツ史上最高額の契約を結んだアスリートの口座を握っていたミズハラは狙い撃ちされたのでしょう。『カネを返さないとオータニに連絡するぞ』と脅されたミズハラは、負けを取り戻すためにさらに賭け続けるという無限ループに陥ってしまった。 一般的にギャンブルと聞くとカジノを思い浮かべるかもしれませんが、彼がやっていたのはスマホ一つでできるオンラインベッティングで、その市場規模は数十億ドル以上と言われています」 狙われていたとはいえ、他人のカネに手を付けるのは正常な精神状態ではない。元大王製紙会長で、自身も賭博による借金で罪に問われた井川意高(もとたか)氏はこう語る。 「いくら勝ったか、負けたかは我々ギャンブラーには関係ない。スッカラカンになって地獄の釜を覗(のぞ)いてから、負けを取り戻す――そんな経験でしか味わえない脳が痺れるような感覚にハマるんです。自分の稼ぎの範囲内でやるギャンブルでは痺れない。だから水原さんも大谷さんのカネを、しかも大金を賭けてしまったのでしょうね。負けが込んでも、『勝って返して土下座すれば許してもらえる』という甘い見立てがあったのだと思います。 事実、私もカジノに会社のカネを突っ込んで総額約1兆円負け、勝ち分を差し引いても約100億円を失った。それが会社に発覚してから、さらに20億円近く負けました。依存症は強力なんです。スマホを取り上げられても『次に歩いてくるのは男か女か』で賭けてしまうような精神状態になるのですから」 額の大きさから、最長30年の禁錮刑など実刑は免れないとされている。水原容疑者はどんな末路を辿るのか。 「罪を償ってからも、依存症は続く。一生治らない人もいます。匿名で参加できるギャンブル依存者の会に出席し、相互に監視をして慎ましく生きていくのが理想なのですが、ミズハラは顔も知れ渡ってしまった」(前出・ホワイト氏) スター通訳から令和最悪の裏切り者へと大転落した水原容疑者。更生への道のりはとてつもなくツラく、長い。 『FRIDAY』2024年5月3日号より
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