【山口県】出光興産 CO2削減に一歩前進 アンモニア燃焼実験、国内初
山口県周南市の出光興産㈱徳山事業所(三品鉄路所長)は2月、操業中のナフサ分解炉で、国内初となるアンモニア燃焼の実証実験を実施した。燃料を既存の化石燃料から置き換えても、燃焼することを確認した。 アンモニアは燃焼時に二酸化炭素(CO2)を排出しないことから新しい燃料として期待を集めている。一方、石油や石炭などの化石燃料に比べ、発熱量が低く着火性に劣るとされる。燃焼時に発生する窒素酸化物の抑制も必要で、国内では主に試験用設備などで燃焼技術の開発が進められている。 同社は脱炭酸社会の実現に向け、2021年に既存設備を活用したアンモニアサプライチェーン構築の共同検討を開始。先月、アンモニアの貯蔵タンクや配管などの中間供給設備、ナフサ分解炉などのアンモニア燃焼設備が完成した。 今回、操業中のプラントでは国内で初めてアンモニアを燃やした。ナフサ分解炉は排気ガス中の窒素酸化物を抑制する脱硝設備を持たないものの、アンモニア専用のバーナーや燃焼制御などで、窒素酸化物の排出量が環境規制基準を満たすことを認め、化石燃料と遜色のない燃焼性を確かめた。