【ラグビー】トラスト貫き、立川親子も笑顔。関東学院大が逆転勝ちで1部復帰
勢いは止まらず、後半36分にもスクラムでの圧倒から追加トライと、勝負を決めた関東学院大。 立川剛士監督は、「(昨季の入替戦で同じ拓大に負けてから)1年かけて準備してきました」と話した。 スクラムやモールを強化してきたことが奏功した。 立川とともに共同主将を務めるFL宮上凜は、昨季の入替戦で逆転負けを喫した記憶を忘れたことがない。 だからこの日、リードされて迎えた後半、「(今年は)俺たちの番だぞ」と仲間に伝え、逆転への集中力を高めた。 今季のチームスローガンは「トラスト」。互いの信頼感を最後まで保ち続けられたことが勝利に結びついた。 だから立川共同主将は試合中、多くの言葉を口にしなかった。 FWが受けていると思えば、「信じてるぞ」と短く声をかける。その一言だけで奮起する仲間たちの姿が頼もしかった。 チームは変化をプラスにして、1年で1部に戻った。 立川監督が就任したのが今年の春。黄金期を自ら作ったひとりとして、明るく、勝利を追求する集団を作った。 部史上初めての留学生、2年生のFLラリー・ティポアイールーテルの存在もチームを活性化している。 「熱い。すごいパッション。チームが好き、といつも口に出して言ってくれる。そういう言葉や姿勢に助けられたことは多いです」と語るのは宮上共同主将だ。 チーム愛は、黄金期もキーワードのひとつだった。 立川監督は、息子の大輝共同主将とともに、今季のターゲットに届いた喜びもあるのか、終始穏やかな表情だった。 「やりやすいもやりにくいもなく、佐賀工時代も合わせ、7年間後輩ですから、嬉しいですよね。それだけです」 宮上共同主将は、ふたりを見ていて「羨ましい」と笑った。 「ことし監督とキャプテンになって、すぐにチームを1部に上げた。ドラマみたいですよね」 ハッピーエンドの1年だった。