ENHYPEN、最新アルバム首位&韓国では初動234万枚超え 『ROMANCE:UNTOLD』で証明する躍進ぶり
<CD Chart Focus> 参考:https://www.oricon.co.jp/rank/ja/w/2024-07-29/ 【写真】『FATE PLUS』ソウル公演で歓声を浴びるENHYPEN 2024年7月29日付(7月23日発表)のオリコン週間アルバムランキングで首位を獲得したのは、ENHYPENの2ndスタジオアルバム『ROMANCE : UNTOLD』で、推定売上枚数は289,099枚。2位はTWICEの日本で5枚目となるアルバム『DIVE』(104,051枚)、そして3位にはJIMIN(BTS)の2枚目のソロアルバム『MUSE』(83,579枚)とK-POPグループ/アーティストのリリースが上位を占めている。ほか、トップ10圏内の初登場作品を見てみても、4位 FANTASTICS『Temporal Transition』(37,192枚)、5位 DXTEEN『Quest』(28,693枚)、6位 THE BOYZ『Gibberish』(21,713枚)と日韓のダンスボーカルグループがひしめくチャートに。続いて、8位にはめいちゃん『やきそばパン』(12,278枚)、9位 『初音ミク「マジカルミライ 2024」OFFICIAL ALBUM』(5,157枚)、10位 PIGGS「1ミリでも」(4,905枚)が並ぶ。 今回取り上げるのは、首位を獲得したENHYPEN『ROMANCE : UNTOLD』。日本でも30万枚近くを売り上げている本作だが、韓国ではなんと234万枚を超える初動でグループの最高記録を更新。グループの躍進を証明するように、破竹の勢いでセールスを伸ばしている。 同作は、ハートマークを中心にあしらったやわらかな質感のアートワークからして、これまでのソリッドでクールなイメージとは一線を画すアルバムだ。『ROMANCE : UNTOLD』というタイトルが示すようにロマンスをテーマにしている一方、メロディアスなトラックで感情をドラマチックに演出するのかと思いきや、むしろリズムとグルーヴを強調したファンキーなトラックが並ぶ。 JVKEがプロデューサーとして名を連ねるリード曲の「XO (Only If You Say Yes)」のフックとなっているのは動きの少ないシンプルなリフ。そこにスタッターエディットを加えることで、ともすれば地味な〈XO XO〉というフレーズを耳に残るものにしている。バックを支えるリズムの刻みは最小限に抑えられていて(ハイハットもほとんど聴こえず、キックとベースとギターのカッティングがグルーヴを生み出している)、むしろシンセのフレーズを要所要所に重ねてゆるやかに高揚感を作り出す展開が光る。 「Hundred Broken Hearts」は冒頭から切ないメロディが登場し、失恋の予感に抗おうとする歌詞もあいまってセンチメンタルな感情をかきたてられる。とはいえ、メロディの跳躍は少なめで、そのぶん言葉の切実さが滲んでいる。そしてもちろん、ビートは太く、力強い。 ディスコ調の「Brought The Heat Back」、ドラムンベースを取り入れた「Paranormal」では、アップリフティングな曲調にあわせてボーカルも力強く動き回り、アルバム全体に起伏を与えている。かと思えば、続いて登場するのはファンク度が抜群に高い「Royalty」。シンコペーションに満ちた16ビートのフィーリングを取り入れた、クールなトラックが印象的だ。しかし、一番ぐっとくるのはハリのあるボーカルが、楽曲全体に情熱を注ぎ込むギャップ。渋いトラックが並んでも華やかさを失わないのは、やはりこのバランスにあるのだろう。