米大統領選、激戦4州の投票所に爆破予告 発信元はロシアか
5日に投票が行われた米大統領選で、七つの激戦州のうち4州の投票所に対して爆破予告があった。複数の地元メディアが伝えた。爆発物は見つからなかったが、いずれもロシアの関与が指摘されている。 爆破予告を受けたのは南部ジョージア州、西部アリゾナ州、中西部ミシガン州、ウィスコンシン州の投票所。これらの州では、民主党のハリス副大統領と共和党のトランプ前大統領の支持率が拮抗(きっこう)している。 このうち、ジョージア州では少なくとも7カ所の投票所が一時的に閉鎖された。ラフェンスパーガー州務長官は報道陣に「発信元はロシアだ」と指摘。「彼ら(ロシア)は我々が円滑かつ公正で、正確な選挙を実施することを望んでいない」と述べた。ただ、ロシアが発信元と判断した理由については詳しく説明しなかった。 米連邦捜査局(FBI)は5日、複数の州の投票所に爆破予告があったと発表した。その多くがロシアが作成したメールアドレスから送られたとの見方を示した。FBI高官はロイター通信に対し、ジョージア州だけで24回以上の爆破予告があったと明らかにした。 米当局は投票前から、ロシアが選挙に干渉しているとの見方を強めていた。 これまで、不法入国したハイチ人がジョージア州の複数の郡で「投票する」と述べたとされる動画がネット交流サービス(SNS)で拡散。ハリス氏の関係者が芸能人から賄賂を受け取ったとする動画も出回った。 FBI、国家情報長官室(ODNI)、国土安全保障省サイバー・インフラ安全局(CISA)は1日に共同声明を発表し、一連の動画は偽物で、作成者はロシアの関係者だと指摘。「こうした活動は、米国の選挙に対して根拠のない疑問を想起させ、国内の分裂をあおることを目的としたモスクワの取り組みの一環だ」とした。【ニューヨーク中村聡也】