ハッキリいって“難しい”の? 松山英樹の11勝目を演出した「センターシャフトのブレード型」パターの取扱説明書
フェース面を繊細にコントロールできる
先日、松山英樹選手が開幕戦の「ザ・セントリー」を制してUSPGAツアー11勝目を挙げましたが、その際に使っていたニューパターが話題になっています。 【写真】これが松山がバーディーパットを入れまくったセンターシャフトのキャメロンです 松山選手が新たにバッグに入れたのは、スコッティキャメロンの「009Mツアー」というプロトタイプパター。これはブレード型のセンターシャフトで、市販もされておらず、同じタイプのパターもあまり市場にないめずらしい形状です。
実は、ゴルフフィールズユニオンの小倉勇人店長は、以前からセンターシャフトのブレード型パターの愛用者。そこで小倉店長に、このタイプのパターの特徴やメリットについて、話を聞きました。 「私は以前から『センターシャフトのブレード型』を愛用しており、プロギア、ロマロ、ベティナルディなど、このタイプのパターを多く所有しています。しかしあまり人気はないようで新しいモデルがなかなか出てきませんが、『発売されたら必ず買う』くらいこだわっています」 「このタイプの最大の特徴は、シャフトの軸線に近い部分でボールをヒットするため『直感的に当てやすい』点、そして非常に操作性が高い点です。手先の動きとフェースの向きが誤差なく連動するので、自分の意図したとおりにヘッドが動いてくれるんです」(小倉店長) センターシャフトのパターは、その名のとおりシャフトがヘッドのトゥ・ヒールの真ん中に直接突き刺さっているような形状です。そのため、シャフト軸線からヘッドの重心までの距離を示す「重心距離」が0ミリ。ということは、テニスのラケットやハンマーなどのようにシャフトの延長線上で直接ボールを打つようなイメージが出やすく、インパクトのタイミングやフィーリングを直感的にイメージしやすいのです。 また、重心距離がないということはフェースの開閉の抵抗が極めて小さいため、操作性も高いのが特徴です。 なお、ネックがないぶん、一般的なブレード型と比べるとヘッドの重心が低くなり、ヘッドを低く動かすイメージが出やすい点、重心距離がないためフェースの開閉のエネルギーが生じず、同じように振っても「飛ばない」傾向があるのも特徴のひとつだと小倉店長はいいます。 「実は松山選手のパターは、厳密な意味でのセンターシャフトではなく、シャフトが若干ヒール寄りにズレています。スコッティキャメロン氏が設計するパターは、彼の設計思想上重心距離0のモデルはなく、松山選手のパターもその例に漏れません」 「そのため完全なセンターシャフトモデルと比べると若干普通のピン型に近いフィーリングが残っていると思いますが、それでもいままで愛用していたクランクネックのブレード型と比べると敏感でシャープな操作性を持っていると考えられます」(小倉店長)