広島を24年ぶりVへ引っ張る新井 なぜこれほど絶好調?
「ボールがよく見えています。どのコースのボールにも力みがなく対応できていますね。また外を攻められますが、無理には引っ張らずにセンターから右へ打ち返すことを意識しています」 力まず対応できている……その理由もパワーアップのおかげだろう。力んでフルスイングすると、どうしてもミスショットの確率が増える。だが、力がうまく抜けると、打ち損じが減る。今季の新井の打率の高さと、得点圏打率の凄さは、力みが消えているバッティングが生み出しているのである。 新井は、こうも言う。 「気持ちの面も大きいと思ります。若い人が頑張って結果を出しています。そういうチームの雰囲気に引っ張られています。楽しいというのはおかしいのかもしれませんが、今、プレーをしていてハリがあります。毎試合、アウェーでも、たくさんのファンの方々が応援してくれています。大声援に力をもらっています。個人の記録など、どうでもいいんです。目標は優勝。そこに貢献すること。それしかありません」 球宴出場を終えると18日から本拠地、マツダスタジアムでの中日戦から後半戦がスタートする。2位の巨人と10ゲーム差。24年ぶりの歓喜の瞬間にチームを引っ張るのは“新井さん”のバットだ。 (文責・駒沢悟/スポーツライター)