けが続きの山口茜、パリ五輪で三度目の正直なるか “ぶっつけ本番”だけど迷いなし
7月26日(現地時間)開幕のパリ五輪に向け、福井県勢も最終調整を続けている。3大会連続出場の経験。初出場の若さと勢い。それぞれの強みを胸に、晴れ舞台へ挑む。 「楽しんでプレーする」。バドミントン女子シングルスで世界選手権を2度制し、五輪は3大会連続の出場となる山口茜(福井県勝山市出身、再春館製薬所)が再三、口にする言葉で、強さの源にもなっている信条だ。 しかし、昨秋の杭州アジア大会で右足をけがし、右長腓骨(ひこつ)筋腱損傷と診断されてからは苦しい時間を過ごしてきた。5月には右のハムストリングスを痛め、6月のインドネシア・オープンを棄権。以降、国内外とも試合には出場していない。 ぶっつけ本番で臨む五輪となるが、山口は「他のことに気を取られず、コンディションを整えるのに集中できる」と前向きだ。8強だった東京五輪は、新型コロナウイルスの影響で開催そのものの賛否が問われ「自分にできることを考え過ぎた」。今回は、迷いなく自然体で力を出し切るだけだ。 試合会場は準優勝した3月のフランス・オープンと同じで、「空間が大きく、やりやすい」と好感触を持っている。本来の躍動感を発揮し、山口にとって心から楽しめる五輪にできたとき、“三度目の正直”となる金メダルが見えてくる。
福井新聞社