「定年後も働こう」と思っています。今の会社で再雇用されると正社員の頃とどれくらい給与が「変わる」のでしょうか?
定年後も働くことを考えた際に気になるのが、再雇用時の給与です。定年前と比べてどれくらい変化するかによって、定年後の仕事や生活水準が影響を受ける可能性があります。 本記事では、再雇用後の給与水準について詳しく解説します。再雇用後の平均年収や給与水準に関する理解を深めて、老後の生活や資金計画に役立ててください。 ▼年金が「月10万円」で老後が不安…持ち家で「貯金」と「退職金」があれば大丈夫? 生活費を試算
再雇用後の給与は低くなる可能性が高い
定年後、再雇用で働く場合は、給与が低下する可能性があります。したがって、再雇用を検討する際には生活費を見直すことが重要です。以前と同じ生活水準を維持しようとすると、家計が赤字になる可能性があるため、慎重に検討する必要があります。 本項では、60歳以降の平均年収や給与水準について詳しく見ていきましょう。 ■平均年収 独立行政法人 労働政策研究・研修機構の「高年齢者の雇用に関する調査(企業調査)」によると、60代前半のフルタイム勤務・再雇用者の平均年収は、定年のある企業で377万円となっています。定年年齢別の平均年収は、表1のとおりです。 【表1】
※独立行政法人 労働政策研究・研修機構「高年齢者の雇用に関する調査(企業調査)」を基に筆者作成 なお、給与所得者の平均年収は457万6000円、年齢階層別の平均年収は60~64歳は441万円、65~69歳は342万円となっています。 ※出典:国税庁「令和4年分 民間給与実態統計調査」 ■給与水準の平均値 独立行政法人 労働政策研究・研修機構の「高年齢者の雇用に関する調査(企業調査)」によると、フルタイム勤務・再雇用者の61歳時点の給与水準は、表2のとおりです。 ※60歳直前の給与を100としたときの指数 【表2】
※独立行政法人 労働政策研究・研修機構「高年齢者の雇用に関する調査(企業調査)」を基に筆者作成 上記より、60歳直前の給与と比較するとフルタイム勤務・再雇用時の給与は7割から9割程度まで少なくなることが分かりました。