「こんなに値上がりしてるの?」日々通うスーパーで実感する物価高騰 家計防衛のためには“店ごとに異なる価格”を把握してハシゴすべし
ここ数年間の原油高や原材料費の高騰、円安などの影響で、日常利用するスーパーマーケットでの買い物でも「こんなに値上がりしてるの?」と感じる機会が増えている。「2~3年前と比べたら15%ぐらいは上がったとの体感値がある」と述べるのは、日常的にスーパーで買い物しているネットニュース編集者の中川淳一郎氏。佐賀県唐津市で暮らす中川氏が、過去と比較した商品ごとの現在の価格を踏まえ、節約術をアドバイスする。 【写真】2年前の価格とは雲泥の差になった粉チーズ。今年はなかなか型もいいサンマ
* * * 大体同じようなものをスーパーでは買っています。2021~2022年は1回の買い物で2800円ぐらいでしたが、今は3150円ぐらいになる感覚です。そこで、過去の価格の記憶が残っている商品(少しはブレがあるかもしれません)と現在の価格を比較してみたら、やはり輸入品が大きく値上がりしていることを実感します。 ・オリーブオイル500ml:698円→1080円 ・トマト缶:98円→158円 ・粉チーズ80g:498円→658円 ・タバスコ:218円→278円 ・タコ:100g298円→498円 国産の調味料系もかなり上がっていますね。私は基本的には安い調味料を買います。 ・袋入り味噌1kg:158円→218円 ・めんつゆ1000ml:198円→238円 ・食用油:298円→398円(※1000ml→900mlへ) ・ラー油1瓶:108円→148円 ・カレールー10人前:138円→178円 かつて特売の目玉で、通常棚に置いてあるものでも安かったカップ麺もこんな感じです。 ・有名カップうどん:138~158円→188円 ・有名カップラーメン:128~148円→198円 ・PBのカップラーメン:98円→138円
サンマは昨年までより安くなっている!
野菜や豆腐や練り物、国産の魚介類・肉については、あまり変わっていない印象です。いずれも生産者と加工業者と流通業者の努力の賜物ですね。しかしながら昨今「モヤシ農家が悲鳴」なんて記事を見ることもありますし、実際、値上がりを実感しているものも少なくありません。 たとえば、昨年末から今年初頭にかけては玉子が大幅に値上げされました。かつては特売で10個入り98円なんてものもありましたし、158~178円ぐらいで買えたものですが、鳥インフルエンザの影響もあり、ある時は10個入り328円になっていた。そこで「6個入り198円」や「8個入り248円」といった形で、とりあえず支払う金額を減らすような小売店側の施策も打たれました。 今は玉子の価格は178~268円ほどに落ち着いていますが、またいつ値上がりするかは分からない。とにかく買い物をするにあたっては、自身が納得できる相場を把握しておくことが、家計防衛への近道です。 とはいえ高くなっているものばかりではありません。たとえば今年の秋は、サンマが安くなっているのを実感します。ここ数年、不漁でサンマは高嶺の花に。1匹698円やら798円で、しかも身が痩せていた。2010年代中頃、よく行くスーパーではトロ箱に氷を大量に入れ、そこにサンマが山積みで各自ビニール袋に入れられる投げ売り状態でした。しかも価格は79円で丸々と太っていた! そんな時代を知っているものですから、しばらくサンマからは離れていましたが、今年はいいです。2匹399円で型もなかなか良い。 このように物価高について述べてきましたが、最後に節約のためのアドバイス。“店のハシゴ”はした方がいいと思います。私はいつも行くスーパーで「粉チーズ:498円→658円」「タバスコ:218円→278円」と書きましたが、なんと、大手ドラッグストアでは、同じ粉チーズは399円でタバスコは199円なのです! 規模の経済がさせる業なのかは分かりませんが、「この店はコレがとにかく安い」を知っておきたい。それを踏まえて店のハシゴをして家計防衛につなげましょう。 【プロフィール】 中川淳一郎(なかがわ・じゅんいちろう):1973年生まれ。ネットニュース編集者、ライター。一橋大学卒業後、大手広告会社に入社。企業のPR業務などに携わり2001年に退社。その後は多くのニュースサイトにネットニュース編集者として関わり、2020年8月をもってセミリタイア。著書に『ウェブはバカと暇人のもの』(光文社新書)、『縁の切り方』(小学館新書)など。最新刊は『よくも言ってくれたよな』(新潮新書)。