阪神・新コーチ 高代氏が語る 「西岡の守備再生」
元WBC代表コーチだった高代延博氏が、来季の阪神の内野守備コーチに就任することが16日、決定した。まだ1、2軍の振り分けは決まっていないが、和田監督は、久慈照嘉・守備走塁コーチが辞任意思を示したことで空白となっている1軍の内野守備部門を任せたい考え。中日の三塁コーチ時代には、補殺数がわずか1というシーズンがあって“日本一の三塁コーチ”として定評のある高代氏だけに1軍コーチならば、三塁コーチャーズボックスを任せされることになるのかもしれない。 高代氏は、広島、日ハム、ロッテ、中日、韓国ハンファ、オリックスで主に守備走塁コーチを務めてきて、守備の指導力や作戦面での理論や相手チームの動きから弱点を見つける洞察力などが評価され、2度、WBCの内野守備走塁コーチにも抜擢されている。高代氏は11月1日から高知・安芸で始まる秋季キャンプから合流、始動することになる。また26年ぶりに古巣に復帰することになった掛布雅之氏の正式な招聘の肩書きは、育成打撃コーディネイターということに決まった。 高代氏は、阪神のOBではない、まったくの外様コーチ。高代氏は、どうチームを改革しようと考えているのだろうか?THE PAGEでは高代氏を独占インタビューした。
走塁も守備も当たり前のことができていない
――外から見て阪神の気になる点は? 「あくまでも任されることになりそうな担当のテリトリーの中で話をすれば、走塁も守備もあたり前のことができていない。ノックにしても本数受けていないでしょう? 走塁については、基本を忘れているのでは?というプレーが目立った」 ――例えば、走塁面では? 「広島とのクライマックスシリーズの第二戦での坂の走塁だ。藤井のレフト頭上を襲った打球をエルドレッドが好捕。本塁を狙ってセカンドベースを回っていた一塁ランナーの坂は、帰塁できずにダブルプレーとなってチャンスを潰した。おそらく坂は『抜けるだろう』という思い込みで走った。あれは完全な走塁ミス。走塁において『だろう』はタブー。ミスは、そういう思い込みから生まれる。自分の目で見て、エルドレッドの弱い肩を考えて捕られても戻れるという位置で打球を判断すべきだった。しかも、あの打球なら抜ければフェンスではねるので、そこからでも本塁に十分に帰れる。難しい打球は、誰が見ても判断は難しい。当たり前のことを当たり前にやること。リードの一歩と、打球判断。そういう細かいプレーを徹底してつめていきたい」