ネットショッピングの翌日配送には助かっていますが、配達員の方が心配です。激務でしょうし、それなりに給料をもらえているのでしょうか?
インターネットが普及し、スマートフォンがあれば時間や場所を問わずにネットショッピングが利用できる時代になりました。ネットでの買い物は、購入した翌日に配送してもらえるケースも少なくありません。 一方で、欲しいものをすぐに届けてくれる配達員に対して、心配になってしまうといった声もあります。今回は、実際に荷物を配達してくれる人たちの労働状況や給料がどうなっているのかをみてみましょう。
宅配便の配達員は忙しい?
まずは、宅配便の配達員が属する「運輸業・郵便業」の労働状況を、厚生労働省の「毎月勤労統計調査」でみてみましょう。 令和4年分の調査結果によると、運輸業・郵便業の所定内労働時間は142.4時間、所定外労働時間は22.6時間、合計で165時間でした。ほかの産業や業種と比較しても、労働時間は長くなっています。 また出勤日数は19.2日と、鉱業・採石業等、建設業に次いで多く、全体で3番目でした。勤務日数に関してはほかに多い産業はあるものの、労働時間でみれば、数ある業種のなかでも激務であるといって差し支えないでしょう。
配達員の給料の相場
つづいて、国税庁の「民間給与実態統計調査」と厚生労働省運営の職業情報サイト「jobtag」から、宅配便の配達員の給料をまとめてみましょう。令和4年分の調査結果によると、まず、日本の給与所得者の平均年収は458万円でした。 対して、配達員が属する運輸業・郵便業の平均年収は477万円です。業種のみでみれば、全体の平均よりもわずかに多い結果となっています。 一方のjobtagの「宅配便配達員」のページをみると、年収相場は約384万円でした。国税庁の調査結果よりも100万円ほど低くなっています。その理由は、運輸業・郵便業にもさまざまな職種や役職があるためでしょう。 ちなみに、毎月勤労統計調査では労働時間が165時間となっていましたが、jobtagでは168時間でした。労働時間と年収の関係をみると、激務であると想像できるにもかかわらず、一般的には十分な給料をもらっているとはいえない状況です。 もちろん、ここで紹介したデータが、すべての配達員に当てはまるわけではありません。地域や所属企業などによって、労働時間や給料は変わるでしょう。あくまでも参考程度にとどめておく必要があります。