<春に挑む・’21福大大濠>/中 投手陣、捕手のリードで自信 制球力アップに磨き /福岡
「九州地区大会では決勝まで投げるつもりでいたので、準決勝以降投げられなかったのは悔しい」。福大大濠のエース・毛利海大選手(2年)はふり返る。2017年にセンバツに出場しベスト8を果たした先輩の三浦銀二選手(現・法政大)に憧れを抱く。「三浦さんは県予選からセンバツまで投げきったが自分は……」と語る。 直球を持ち味にする毛利選手。入学時は球速133キロぐらいだったが夏ごろから始めた下半身を重点的にしたウエートトレーニングなどで1年の秋ごろには135キロに増す。20年にオリックスからドラフト1位指名を受けた山下舜平大選手(3年)から食事の取り方やトレーニングで意識するところなど積極的に聞き、2年には球速140キロまで上がった。 だが迎えた九州地区大会では1、2回戦で制球力を欠いた投球で球数が計318球に達し、準決勝以降は疲労のためマウンドに立てなかった。「センバツでは控えの投手を出さなくていいよう全部投げたい」と毛利選手は課題の制球力の向上に力を入れる。 エースの力を引き出すのは捕手の川上陸斗選手(2年)だ。「毛利は強気で来てくれる。得意の真っすぐでいこうなどとリードしたりする」と話す。 一方で馬場拓海選手(1年)や森本光紀選手(同)には「もっと強気でこい」と九州地区大会の準決勝や決勝では駆け寄る場面もあった。弱気な投球が見られる両投手に対し「こっちが引っ張って自信を与えるようにする」と投手一人一人をみて対応を変える。 九州地区大会では巧みなリードが光った川上捕手。「投手陣をしっかりリードしてチームを勝たせたい」と、さらなる向上を誓った。【大坪菜々美】 〔福岡都市圏版〕