夏93年ぶり“ベスト8”甲子園で起こった「大社旋風」記録と記憶に残る戦いからナインが得たものとは【島根発】
自ら招いたピンチを気迫の投球で切り抜ける 大会を勝ち抜く「勇気」に
大会4試合で492球の熱投…躍進の原動力となったエースの馬庭優太さんが、選んだ言葉は『勇気』だった。「甲子園でプレーできたからこそ、一歩前に出る『勇気』がメンバーみんなから出た」と話す。 特に2回戦の長崎・創成館戦の延長タイブレークで、自身のエラーにより満塁のピンチを迎えた場面を振り返った。そこから「絶対に抑える」と気合いを入れ直し、スタンドからの大声援にも押されてピンチをしのぎ、「自分の仕事をやり切った部分で一歩前に『勇気』が出た」と話し、満塁のピンチでも全員が自信を持ってプレーすることができた大会のターニングポイントだったと語る。 チーム随一の“スクイズ職人”と呼ばれ、チーム最多の5犠打を成功させたサードの園山純正さん。園山さんが選んだ言葉は『自信』。「甲子園で4試合させてもらい、一つ一つのプレーに『自信』をもってプレーできたことが良かった」ことがその理由だ。大舞台で培った自身の変化が、甲子園から帰った後の行動にも表れたという。「体育祭で『色長(リーダー)』を務めたことで、リーダーとして自分が前に出て何かをするということは、『自信』があったからできたと思う。本当に良い経験になった」と話す。 ちなみに、2回戦の長崎・創成館戦で決めた同点スクイズについては、「本当のことを言うと、決まると思っていなくて一か八かでした。(決まって)自分が一番びっくりしました」と振り返る。ただ大舞台での成功が、一人の選手の成長を大きく後押ししたことは確かだ。
“大社旋風”で得られた大きな財産 石飛監督「新チームで新た旋風を」
そして彼らを鼓舞しながらチームをベスト8に導き、これまで成長を見守り続けた石飛文太監督。指導者として得たものは非常に大きかったとし、「(甲子園の舞台を経て誕生したのは)無限大の夢です。彼らが示してくれた可能性は無限大でした」と話す。 選手たちが大舞台を経験することで成長していく姿を見つめることができた「甲子園」に改めて感謝。そして「ただ僕は、また新たに1、2年生と野球がしたい。また新たな物語が生まれると良いと思っている」と語り、2025年の夏の甲子園へ挑む気持ちを新たにしている。「大社旋風」第二章に期待が膨らむ。 (TSKさんいん中央テレビ)
TSKさんいん中央テレビ