「大学生豊作年」は今年も続く! 早くも注目の2024ドラフト候補〝大学生野手四天王〟とは!?
昨年、大学選手権で優勝、明治神宮大会で準優勝と立派な成績を収めた青山学院大では、西川史礁、佐々木 泰というふたりの右打ちスラッガーが腕を撫して待つ。 身長182㎝、体重87㎏の体軀(たいく)を持つ西川だが、龍谷大平安高時代は高校通算8本塁打と取り立てて注目される打者ではなかった。 大学入学後も2年間は目立った成績を残していなかったものの、3年春に才能が開花。打率.364、3本塁打、10打点の大活躍で、東都大学リーグのMVPを受賞。そのまま大学日本代表にも選ばれ、日米大学選手権では全5試合で4番打者を任された。 打球にうまく角度をつけられるスイングが特徴で、高確率でレフトスタンドに放り込める。大学球界でブレイクしてから日が浅いだけに、さらなる進化も見込める。 一方の佐々木は、西川よりも早く全国区の知名度を獲得していた。県岐阜商高では通算41本塁打を放った右の強打者で、甲子園でもレフトスタンドに鮮烈な一発を見舞っている。大学進学後は1年春からリーグ戦デビューを飾り、いきなり打率.371、4本塁打と結果を残した。 だが、その後は思うような成績を残せずに、後発の西川に注目度を追い抜かれた感がある。確実性に課題があり、西川が活躍した昨夏の大学日本代表では9打数0安打に終わった。 それでも、この打者のスイングには夢がある。身長177㎝、体重77㎏と体格はそこまでだが、懐の広い構えで打席に入るとひときわ大きく見える。 瞬発力に優れ、バネのあるフルスイングは爆発力抜群。バットの芯でとらえた打球は、どこまでも飛んでいく。勝負強く、三塁守備も及第点なだけに、確実性の課題が解消されればドラフトの主役に躍り出るかもしれない。 遊撃手だけでなく、「右の強打者」もまたプロ側の需要が高い属性だ。渡部、西川、佐々木と高次元の右の強打者をプロのスカウトがどう評価するかが大きな焦点になる。 大学生野手四天王は学生最終学年にどんなパフォーマンスを見せるのか。今から春のリーグ戦の開幕が楽しみでならない。 取材・文/菊地高弘 写真/アフロ