交通事故想定し救助訓練 宇部・山陽小野田消防局【宇部】
宇部・山陽小野田消防局(杉本秀一消防長)は6日、宇部中央消防署で交通事故が発生した際の対応救助訓練を行った。署員25人が廃車を使ってけん引方法、ガラスの破壊方法を学び、いざという時の技術の向上に努めた。 自動車の安全性能が向上したことで交通事故による救助件数が減少し、救助隊員の経験不足が懸念されている。この現状を踏まえ、隊員の技術維持や育成を目的に、宇部と山陽小野田市の小野田消防署で毎年実施。10回目となる今年は2~15日を予定。廃車を2台ずつ使い、交通救助に関する基礎訓練や想定訓練に取り組んでいる。各署で訓練内容は異なる。 宇部中央消防署での訓練には、若手を中心とした署員が参加。ベテラン隊員の指導で、車の構造を知り、通常、横転、転覆時の固定の仕方、機械やクレーンでの持ち上げ方、引っ張り方、ガラスの壊し方、救助方法などを学んでいる。 この日は、ガラスにさまざまな方法でテープを貼り、壊していった。車のけん引では、ロープを固定するため、車の下に潜り込んで引っ掛ける場所を確認した。署員は集中して訓練に臨み、メモをして動画を撮っている姿もみられた。 訓練2回目の消防2係の松尾留樹也さん(22)は「年に1回の貴重な体験。訓練をするのとしないのではまったく違う。引き出しを増やし、現場で迅速に対応したい」と話した。 管内の救助件数は今年に入って11月末までに78件で、昨年同期より6件増えた。うち、交通事故が最も多い37件だった。