大学でテント泊、たき火を囲んで本音トーク キャンプ+就活支援どんな活動?
キャンプ+就活支援というユニークな新しい取り組みが、関西学院大学で始まりました。なぜ、学生のキャリア支援をキャンプしながら行ったのでしょうか。非日常のテントでの宿泊や、たき火を囲んで語り合った体験から、学生が得た気づきとは? キャリアセンターの担当者とキャンプに参加した学生に話を聞きました。 【写真】女子大の「就職力」なぜ高い? ランク上位入りした学校の特徴
2023年9月10~11日、関西学院大学の神戸三田(さんだ)キャンパスで「KGキャリアキャンプ~supported by Snow Peak~」が開催されました。1泊2日のキャンプを通して非日常の世界を体験することで自分自身と向き合い、またビジネスパーソンと対話することで、インプット・アウトプットを繰り返し行います。この経験を通して、参加学生がキャリア意識を醸成することを目的に、同大学がキャリア教育の一環として行ったものです。 「新型コロナウイルスの影響で、思うようにイベントを行えませんでした。大学側が募集して行う本格的なキャンプ開催は、今回が初めてです。キャンプに不可欠なテント泊やたき火が大学構内でできるのは、自然豊かな環境に恵まれたキャンパスならではで、非常に画期的な企画だと思っています」と森隆史キャリアセンター長は話します。同大学は、初代学長・ 第4代院長C.J.L.ベーツが提唱した「Mastery for Service(奉仕のための練達)」をスクールモットーとし、社会に貢献できる人材の育成を図っていくため、学生に寄り添い、一人ひとりの長所を引き出すキャリアサポートに力を入れています。
キャンパス内にスノーピークのテント
今回のイベントが実現した背景には、アウトドア製品の製造・販売やキャンプ場運営などを手掛けるスノーピークとの協力関係がありました。同大学は20年から同社と包括連携協定を結び、神戸三田キャンパスの豊かな自然と広大な敷地を生かした「Camping Campus(キャンピングキャンパス)」の構築や、キャンプがもたらす効果の研究などに共同で取り組んでいます。「Camping Campus」は、学生の知的好奇心や自由な発想を育むために、大学という日常的な環境とキャンプ生活の非日常的な要素を融合した新しい学びの場でもあります。コロナ禍で減ってしまった、仲間と顔を合わせて語り合って、つながりを作ることも大きな目的です。 KGキャリアキャンプには、22年度に新設した授業「KGキャリア入門」の履修生から募った学生32人が参加しました。「KGキャリア入門」は、さまざまな業界で活躍する同大学の卒業生が、学生時代から現在に至るまでの経験やエピソードを語るオンデマンド形式の授業で、初年度は1年生を中心に1万人以上が履修しました。 森センター長はKGキャリアキャンプの位置づけについて、「オンデマンド形式のオンライン授業とは逆の環境で行うキャリア教育です。オフラインでのつながりや予想外のハプニングも含め、きっといい化学反応が起きるだろうと期待していました」と話します。