【日本株週間展望】高止まり、米利下げや業績期待-需給面は懸念材料
(ブルームバーグ): 7月第2週(8-12日)の日本株は高値圏を保って推移する見込み。米国市場の利下げ期待を背景にした株高が追い風になり、企業業績を期待した買いも入りそうだ。半面、株式需給面では上場投資信託(ETF)の決算があるため、関連した売りに押されて相場の上値は重くなりやすい。
7月第1週は米株高を追い風に、東証株価指数(TOPIX)は週間で2.7%高と続伸した。週の後半にTOPIXと日経平均株価は最高値を更新した。米国で経済指標を受けて金利が低下し、グロース(成長)株が上昇。日本でも半導体関連などに見直し買いが入り始め、7月第2週も堅調に推移しそうだ。
米労働統計局が11日に発表する6月の消費者物価指数(CPI)を受けて、利下げ観測がさらに高まれば、日本のグロース株にも買いが入りやすくなるだろう。変動の大きい食品とエネルギーを除くコア指数の市場予想は前月比0.2%上昇。伸びは5月から横ばいとなる見通しだ。
小売りを中心に主要企業の四半期決算の開示が始まり、投資家の業績期待は高まりやすい。ファーストリテイリングは11日に2024年8月期の第3四半期決算を発表する。
半面、TOPIXと日経平均に連動するETFの多くは8日や10日に決算を迎える。分配金をねん出するための株売り圧力が高まり、相場の重しになりそうだ。
《市場関係者の見方》
丸三証券の柏原延行常務執行役員
米国金利が上昇するなかでもグローバルで堅調に推移する株式は、強含みの相場が続きそうだ。好調な株式市場の背景には堅調な景気や企業業績があり、米CPIの内容は重要だ。無難な結果に終われば、相場は徐々に上昇するだろう。一方で、外国為替市場において過度な変動が起これば、相場の先行きに対する不透明感から株の売り材料になる。
楽天投信投資顧問第二運用部の平川康彦部長
高値を抜けてきた日本株には、ETF分配金ねん出の売りが約1兆円あると言われ、需給面の重しとなる。日本銀行が開く債券市場参加者会合では、国債買い入れの減額規模が市場予想以上になる方向が明らかになれば、国内金利の上昇に伴ってバリュー(割安)株に資金が向かいやすくなる。