【緒方孝市】広島矢野と末包がチーム力押し上げ 球宴までの26試合は首脳陣のかじ取りポイント
21日からセ・リーグとの戦いに戻る。広島は交流戦を10勝8敗で終えた結果以上に、投手を中心とした守り勝つ広島らしい野球で5球団に勝ち越せたことが大きい。先発4本柱に、栗林、島内がブルペンに控える投手陣は他球団にも勝る盤石な布陣。これからの戦いにおいても、一番の強みとなることは間違いない。 【写真】6日、日本ハム戦で決勝弾を放った末包 今季のスタイルを確立する上で、矢野の成長は大きい。課題だった打撃面での成長もあり、一気に遊撃のレギュラーを取る勢いだ。また、攻撃面ではチームに欠けていた長打力をもたらした末包の昇格が転機となった。2選手の存在がチーム力を押し上げている。 21日中日戦からオールスター戦まではひとつの区切りと言える。暑さが増すこれからは広島の強みでもある投手に疲れが出始める時期でもある。交流戦をへて、各チームがウイークポイントを整備するなど再構築している。シーズン終盤に向けてチームの完成度を上げていく時期でもあり、交流戦前とは各チームの状態も上がっているに違いない。 広島はオールスター戦まで26試合を予定するが、この1カ月は本当にあっという間だ。順位を気にする時期ではないが、どう戦っていくのかを明確にすべきだろう。ひとつは現状の形で戦っていくことが挙げられる。他球団の変化を感じながら、後半戦のビジョンを描いていくのか。それとも、課題として残る得点力を改善させる布陣を試すのか。2軍にいる外国人選手を含め、シーズン終盤までに試すことができる時期でもある。方向性はほかにもある。オールスター戦後から本格化する順位争いへ向けた26試合。どのような戦術やチーム方針を選択するのか。首脳陣のかじ取りが大きなポイントとなりそうだ。(日刊スポーツ評論家)