りそなHD社長、政策株「現時点でゼロ考えず」-新規保有も選択肢に
(ブルームバーグ): りそなホールディングス(HD)の南昌宏社長は政策保有(持ち合い)株式について、現時点ではゼロまで削減する考えはないと明らかにした。その上で、自社の戦略次第では新たに取引先企業の株式を保有する選択肢もあり得るとした。
南社長はインタビューで、「戦略的に株式を持つことは、一定の条件下ではあり得る。ゼロにするかしないかと言われると、現時点では恐らくゼロにはならない」と言及。ビジネスや戦略の進め方次第では、「新しく持つ可能性も当然ある」と述べ、局面ごとに柔軟に判断する考えを示した。
大手銀行などは政策株の削減を進めてきたが、大手損害保険4社による保険料の事前調整問題を巡る金融庁の行政処分を契機に、削減動向が一層注目されている。同庁は処分で政策株の存在が適正な競争をゆがめた一因と指摘しつつ、政策株とみられる株式を「純投資」に区分して継続保有する事例などを問題視し検証を進めている。
りそなHDは公的資金が注入された2003年の3月末に簿価ベースで1兆3970億円あった政策株を24年3月末時点で2616億円まで減らした。さらに30年3月末までに3分の2以上削減する方針を打ち出している。
今後の政策株売却に伴い創出が見込まれる3000億円相当の資本の使い道の一つとして南社長は、外部との提携など「インオーガニック戦略」を挙げた。中でも「異業種には大変な興味がある」と述べ、銀行業務と親和性の高いリースや決済分野などに言及した。
南社長は、現在保有する政策株について「本当にコアのコアのところだけが残っている状況で、今後の削減はもちろん簡単な話ではない」とも述べた。
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Takashi Umekawa