士業専門コンサルタントが教える、あなたに合った「プロ士業」を探す具体的な方法。 (横須賀輝尚 経営者)
■基本的には紹介。ついでウェブ検索。
そうなると、具体的な検索方法としては、誰かからの紹介か、ネット検索ということになります。優先順位としては、紹介が有効な方法でしょう。ネット検索のコツみたいなものは後述しますが、まずは紹介で「誰か」の責任のもと、紹介してもらうのが最優先検索方法です。 そして、そのとき「どんな強み」で紹介されるかでも、プロ士業の見極めが可能になります。 「行政書士のだれそれ」では普通。「資金調達に異常に強い行政書士のだれそれ」これはプロ士業です。資格ともうひとつ強みをセットで紹介されると、プロ士業である可能性が高いといえます。 ただし、紹介で士業を探すことには反対意見もあります。そもそも紹介は、そんな法律はないのですが、仁義的に「紹介責任」というものが存在します。ですから、下手な人を紹介されないというメリットもあるのですが、反対に「紹介してもらった以上、依頼しなければならない」という仁義的な流れがうっすら存在します(そんな決まりはないんですけどね)。 特に、税理士との顧問契約などは一度契約してしまうと、人間関係が構築され、契約解除しにくくなるのが人の常ですが、そのあたりは最初の契約段階で回避できますので、先に依頼の始め方を説明しておきましょう。
■ウェブ検索での見つけ方。
いまや士業もインターネットマーケティング全盛。私が開業した2003年頃は、それこそホームページを持っている士業の方が少ないくらいでしたが、いまや多くの士業が営業のためにホームページを持っています。ウェブ検索するとわんさか出てきますので、人づてで紹介してもらえない場合は、ウェブ検索が探し方の選択肢になります。 これも、ホームページがないからダメ、ということもなく、超実力派プロ士業はホームページを持っていなかったりしますが、そういう人をネットから探すことは不可能なので、検索できるサイトの見極め方について、解説していきたいと思います。 基本的に、見るべきところは「所長のプロフィール及び実績」です。コスト重視の場合は、価格を見れば十分ですが、あなたの会社を伸ばすためのプロ士業かどうかを見極めるには、まずはどんな士業なのかを判断する必要があります。 目安となるのは、業歴の長さ、表示されていれば実務の実績数。士業としての仕事振りはこのあたりがひとつの目安になります。ある程度あなたが安心するような実績値があれば、あとは問い合わせてみるしかありません。そのレスポンスを見て、依頼に値する士業がどうか、見極めましょう。 ほかに目安となる情報としては、SNSがあります。気になる士業がいたら、実名検索をしてみましょう。多くの士業がいまはTwitter、Facebook、Instagram、YouTubeなどを活用していますので、そこでさらに人となりも見えるでしょう。 これも、実力と比例しないので、あくまで目安なのですが、そこでの発言や記事がネガティブなものが多ければ、やはりそういう人。人物としての判断基準になります。あとは更新頻度ですね。毎日更新しているような人はマメな人なわけですし、まったく更新していない人はズボラなのかもしれません。やはりこのあたりも、実力との相関関係が絶対的にあるわけではないので、あくまで目安です。 ただ、ひとつウェブ検索で士業の「経営者」としての実力を見極める方法があります。それは、リスティング広告を出しているかどうか、です。検索エンジンで「税理士 新宿区」などで検索すると、検索結果とともに広告が表示されます。広告を出しているということは、マーケティングや売上増、つまり経営に積極的な士業であると認識して良いでしょう。 経営を知っているということは、法律実務以上の相談ができる可能性もありますので、これはひとつの選択基準になります(ただ、これは書いていいのかわかりませんが、そういったマーケティングをすべて外注している場合もあるので、理解した上で時間との兼ね合いから委託しているのか、それとも何もわからないから外注しているのかは、話を聞いた上でよく見極めてください)。 横須賀輝尚 パワーコンテンツジャパン株式会社 代表取締役/特定行政書士
【プロフィール】
1979年、埼玉県行田市生まれ。専修大学法学部在学中に行政書士資格に合格。2003年、23歳で行政書士事務所を開設・独立。2007年、士業向けの経営スクール『経営天才塾』(現:LEGAL BACKS)をスタートさせ創設以来全国のべ2,000人以上が参加。著書に『プロが教える潰れる会社のシグナル』(さくら舎)、『会社を救うプロ士業 会社を潰すダメ士業』(さくら舎)、『資格起業家になる! 成功する「超高収益ビジネスモデル」のつくり方』(日本実業出版社)、『お母さん、明日からぼくの会社はなくなります』(角川フォレスタ)、他多数。