認知症薬「レカネマブ」投与開始 東京のセンター、50代女性に
エーザイが開発した認知症のアルツハイマー病新薬「レカネマブ(商品名レケンビ)」について、東京都健康長寿医療センターは25日、50代の女性に投与を始めたと発表した。20日に保険適用後、準備が整った医療機関から順次投与が開始されており、来年全国で本格化する見込み。 レカネマブは病気の原因物質を除去することで進行の抑制を狙った初の認知症薬。標準の薬価は年約298万円で、軽度認知症とその前段階である軽度認知障害の人が対象。2週間に1回の点滴を原則1年半続ける。 同センターによると、治療を始めたのは昨年軽度認知障害と診断された東京都の50代女性。検査で脳内にアミロイドベータというタンパク質がたまっていることが確認された。 この日は約1時間かけて点滴を投与。女性は「やっとここまでたどり着けた」と話していたという。同センターの岩田淳副院長は「ようやくスタートラインに立った。効果は『同じような生活が続けられているか』を重視したい」と強調した。21日には大阪公立大病院(大阪市)でも患者への投与を開始した。