日本からは3チームが参戦 Pacific地域の『LoL』国際大会「PCSプレイオフ」現地レポート
PCSチーム「CFO」のパブリックビューイング会場に潜入
実は今回、PCS地域の強豪チーム・CTBC Flying Oyster(以下CFO)のマネージャーと知己の関係だったこともあり、特別にパブリックビューイングに招待してもらった。本来パブリックビューイングへの参加は申請制で、上限も50名と定められている。初戦ということもあって今回は満席とまではいかなかったようだが、多くの熱心なCFOファンが会場を訪れていたのが印象的だった。 パブリックビューイングは「中国信託商業銀行(CTBC Bank)」本社ビルの一角で開催された。会場では応援グッズにくわえてハンバーガーやポテト、チキンナゲットやピザがふるまわれ、飲み物もお茶やエナジードリンクが用意されるなど、まさに至れり尽くせり。 正面にはMVP予測の投票箱が置かれており、参加者は用紙に自分の名前を書いて該当の選手の箱へ投票。試合後にMVP選手の投票箱からくじ引きが行われ、当選者にはタクシー割引券をプレゼントというイベントが催されていた。もちろん、試合中はプロジェクターの大きなスクリーンで試合が観戦でき、みんなで共にCFOを応援していた。 この日の試合は3-0でCFOが圧勝。気持ちの良い勝利にファンのみなさんもご満悦の様子だった。さらに試合終了後には2名の選手が会場に駆けつけ、ファンミーティングを実施。個別にサインと2ショット写真の時間が設けられ、最後は選手と参加者全員の集合写真で締めくくられるという、非常に満足度の高いパブリックビューイングであった。 ■日韓通訳として参加した「PCSプレイオフ」への所感と新たな夢 ところで今回、筆者が急遽メディアインタビュー向けの日韓通訳として「PCSプレイオフ」に参加したことにも触れておきたい。普段はLJLの公式日韓通訳として活動しているため、仕事内容としてはそれほど変わらない。だが、個人的に経験したことや感じたことなどを最後に書き綴ってこのレポートのまとめとさせていただこうと思う。 今回の「PCSプレイオフ」には中英通訳、中日通訳、日英通訳の3名が常駐しており、韓国語でのインタビュー環境は最初から用意されていなかった。詳細はわからないが、放送的に4ヶ国語となると非常にややこしくなるため日中英の3ヶ国語で収める方針になったのだろう。 今後できることなら各言語の放送ごとに個別にインタビューが実施できれば多言語になるのは防げるので、大変だとは思うが韓国人選手にもインタビューの機会が与えられるよう運営側には是非検討していただきたい。 また、筆者は日常会話程度の中国語も話せるので別言語の通訳者らとも交流することができた。彼らとの会話の中で印象的だったのが、「いつか日本でPCSプレイオフをやりたい」という話だった。 LJL側からすると、元々あったPCSの大会形式にLJLが組み込まれたのだからこちらが出向くのが当然という雰囲気があったのだが、もしかするとPCS側は「LJLが仲間になった」というぐらいの認識なのかもしれない。いま思えば、関わったPCSスタッフのみなさんは現地で誕生日を迎えた筆者にプレゼントをくれたり、試合が長引いたときに差し入れをくれたりと、非常に歓迎してくれていた。 世界的なeスポーツタイトルの大規模な国際大会を日本で開催するという夢は、すでにおなじくRIOT GAMESが運営するFPSタイトル『VALORANT』で叶えられている。『LoL』だと、さすがに世界トップレベルの「MSI」や「Worlds」を誘致するのは難しいと思う。だが、「PCSプレイオフ」であればチャンスはあるかもしれない。 今回、SHGが日本のLoLの実力は決して低くないことを証明してくれた。我々ファンにできることは、パブリックビューイングへの参加やSNSでの応援チアボード、ハッシュタグへのSNS投稿などを通じて「日本の盛り上がりを可視化させること」ではないだろうか。もちろん、筆者も通訳や取材を通じて盛り上げに貢献できたらと考えている。「日本でPCSプレイオフを」という目標に向かってLoL関係者とファンが手をとりあって進んでいければ、そんな壮大な夢も実現する日が来るかもしれない。
スイニャン
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