優しくしてくれるから、つい…〈年金月20万円、預貯金1,500万円〉堅実に暮らす71歳・元消防士の度重なる「家賃未払い」。駆けつけた息子が目にした「あまりに奇妙な光景」【CFPの助言】
年金分割とは?
年金分割とは、婚姻期間中の厚生年金保険料に相当する年金額を年金の多いほうから少ないほうへ分割する制度。特に、専業主婦(夫)や扶養内で働いてきて厚生年金の受給がない側にメリットがあります。年金分割には次の2つの方法があります。 合意分割 按分割合が当事者間の合意によって決められます。合意がまとまらない場合は、どちらかの請求により、裁判手続き(調停または審判)によって決定します。2007年4月1日以後の離婚が対象となります。 3号分割 当事者双方の合意は必要ありません。2008年4月1日以後の婚姻期間中の相手方の厚生年金金額から1/2を、国民年金第3号保険者である妻(夫)へ分割する制度です。 ともに、請求期限は離婚の翌日から2年以内となります。
家賃滞納で「老人性うつ」が発覚
現役中は仕事と家族一筋だったため、友人といえる人がほとんどいなかったマサオさん。社交的な性格でもなく、初対面の人とのコミュニケーションも得意なほうではありませんでした。 それでも自分を変えたいと一念発起。時間も体力も持て余していたため、体力維持と人脈作りを兼ねてスポーツジムに通った時期もありました。しかし、親密になると摩擦も起きやすくなるのが人間関係。仲間内のいざこざに巻き込まれたマサオさんは疲れを感じてしまい、スポーツジムを辞めてしまったそうです。 その後のマサオさんは、一人でいる時間が長くなってしまい、身体を動かさなくなったことで食欲も落ちました。夜もよく眠れていません。人と話す機会が極端に減って、TVの前で過ごす時間が増えました。気分が落ち込むことが増え、このままではいけないと思うものの、なかなか行動に移せなくなっていたようです。 そんなある日、マンションの管理会社から、隣県に住む息子に一本の電話が入ります。 「お父様が3ヵ月分の家賃を滞納しています。ご確認いただけますか?」とのこと。マンションを借りる際、息子が保証人になっていたのです。 慌てた息子は、父の住むマンションに向かいました。そして、玄関を開けて唖然としました。 男の一人暮らしのため、整理整頓されているとは思っていなかったものの、それにしても、という状態です。未開封の大きな段ボールがあちこちに散乱し、廊下はホコリがたまり放題です。 息子:「父さん、この段ボールは何? 何があったの?」 マサオさん:「通販で買ったんだ。便利なんだよ、通販って。すぐ届けてくれるんだ……。電話で話す女の子がとにかく親切で、話していると楽しくてさ……」 どうやら、家にこもりがちになってから、TVショッピングにはまってしまったようでした。人恋しさも手伝って、電話口に出る担当者との会話に寂しさを紛らわせていたようです。年齢的なこともあるのかもしれません、物忘れがひどくなり、支払い期日を把握することが難しくなっているようでした。 マサオさんは「老人性うつ」の症状を発症していました。 家賃を口座振替にしていなかったことが、家族がマサオさんの異変に気づくきっかけになりました。不幸中の幸いと考えるようにしたそうです。
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