桜庭ななみが島根でもがく若者の姿を体現 佐野史郎は桜庭の島根弁を“ネイティブ”と絶賛『島根マルチバース伝』
島根発地域ドラマ『島根マルチバース伝』(NHK総合/島根県域ほか 午後7時57分~ほか)の完成試写会と会見が、2月26日(月)に開催。主演を務める桜庭ななみ、佐野史郎、脚本を手掛けた竹田モモコらが登壇した。 【写真】会見で笑顔を見せる桜庭ななみ 本作は、田舎のしがらみや生きづらさをはじめ、地方に生きる人々のありのままの姿を描きながら喜劇に昇華させる作風が高い評価を受けている竹田モモコが脚本を担当。「あのとき島根を出ていれば、どんな人生があったのだろう…?」と考えつつ、地元で輝こうともがく主人公の悲喜こもごもを通し、島根で暮らす人々にエールを送る物語となっている。
そんな本作の完成試写会と会見が2月26日(月)に開催され、主人公・門脇ひかりを演じる桜庭ななみ、怪しい店「みせや」の店主を演じる佐野史郎、脚本を手掛けた竹田モモコらが登壇。 本作について、桜庭は「これまで私自身も“何かのせいにしたい”と思ったことがあり、“島根にいるせいだ”と理由を付けてしまうひかりに感情移入できる部分がありました。だからこそ、この役を演じながら私もこれから頑張ろうと思えましたし、そういう環境だからできることっていうのもたくさんあるはずで。この作品を通して、私自身もまた新たな目標を見つけられた気がしました。なので、皆さんにもこの作品を見て、そう思っていただけたらうれしい」と。 佐野も「大きなものであれ些細なものであれ、“こうなったらいいな”と夢を抱いているその瞬間こそが“青い鳥”といいますか、“幸せ”なんだと思います。それがこのドラマを見ている時間と重なれば、僕もこの仕事をしている甲斐がありますし、皆さんと共感したいところでもあります」と語った。 続けて、竹田は「このお話を頂いた時に“島根県の若者にエールを”ということだったのですが、まず若者に嘘をついてはいけないなと思ったんです。地方に住む若い人がどういうモチベーションで、どういうメリットを感じて生きていくかというのは今とても難しいことだと思うので、それをきれいにラッピングして、田舎の自然や人の温かさみたいな部分にフィーチャーして書くのは違うと思って」と。 「できるだけ寄り添うといいますか、“大人も分かってるよ、あなたたちのこと”ということを言いたくて、書き方には気をつけるようにしました。この作品を見て感じることは人それぞれだと思うのですが、その土地で、自分の全部を使ってトライするということを若い方にしていただけたらうれしい」と脚本に込めたメッセージを明かした。 また、撮影を振り返り「方言(島根弁)が難しかったです。そんな中で、監督から“だんだん”という言葉をアドリブで入れてほしいと言われて…。島根の言葉で“ありがとう”という意味なのですが、当時はまだ口がなじんでいなくて、めちゃくちゃ小さな声で言いました(笑)」とその苦悩を明かした桜庭。 しかし、島根出身の佐野は「僕もこれまで役柄を通していろいろな方言を話してきましたが、毎回すごく苦労するんです。僕はイントネーションというよりも話している間の息遣いが大事だと思っているのですが、桜庭さんは本読みの時から息の吐き方や吸い方、間合いが絶妙で、うまいなと最初から思っていて。完成した映像を見たら、案の定ネイティブでした」とその方言を絶賛した。 撮影を経ての島根のお薦めスポットを問われると、桜庭は「大根島です。とにかく人が温かかったのと、ここで食べたシジミ汁が本当においしくて…。さらに劇中ではひかりがシジミになるシーンもあるので、そこもぜひ注目していただきたいです(笑)」とアピール。佐野は「やはり宍道湖に沈む夕日。子供の時から一番美しいと思います」と回答した。 最後は、桜庭が「この作品は“なんだこれ!?”というシーンもあり(笑)、笑って楽しく見られる物語ではあるのですが、“今日から頑張ろう”というメッセージが伝わる作品になっていると思います。この作品を見て島根の良さを感じていただくのと、皆さんのエールになる作品になれば」とあいさつを。 佐野も「島根は神話のふるさとですし、ファンタジーとしても楽しんでいただければなと思います。放送はNHK BSで全国からご覧いただくこともできますので、気を楽にしてこの作品をご覧いただけたら」と呼び掛け、会見を締めくくった。
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