就任後初めてユニホーム姿を初披露した阪神・藤川監督（カメラ・岩田　大補）

　阪神・藤川球児新監督（４４）が２２日、甲子園での秋季練習初日に積極的にコミュニケーションを図る“球児色”を前面に押し出した。「これは自分の性格なので。まずは（選手が）何を考えているか、僕自身が分かる必要があると思うし、僕も分かってもらう必要がある。その時間を惜しみなく使いたい」。現役時代に見慣れた背番号２２のタテジマ姿で笑顔を絶やさず、グラウンドを歩き回った。 　最初にコーチ陣との意思疎通に時間を割き、ランニングメニューを行う森下ら野手に声かけ。その後、トレーナーや裏方スタッフ、才木をはじめとする投手陣とトークを弾ませた。今季まで１軍ヘッドの平田２軍監督とも話し込み、「ホットラインでいつでも連絡できるようにお願いします」と依頼。シーズンオフの今だからこそ、お互いを知ることからスタートさせた。 　練習前にはクラブハウス内で大山、近本といった秋季練習免除組を含めたミーティングを実施。秋季キャンプの重要性を訴えると同時に、２１日のＣＳ最終ステージ・巨人―ＤｅＮＡ戦（東京Ｄ）の印象的なシーンをチームの理想像として伝えた。 　「最後にＤｅＮＡの森原投手がマウンドに上がった瞬間の笑顔、巨人ベンチと阿部監督の表情。どちらも勝負を楽しんでいるかのような表情だった。ああいう表情で、あの一瞬を迎えたい」。皆が主体性を持った風通しの良いタテジマ軍団をつくりあげ、１年後に歓喜の秋へ―。球児監督らしい第一歩を踏み出した。（小松　真也） 　◆主な阪神新監督の秋季練習初日 　▼金本知憲監督　２０１５年１０月２１日に鳴尾浜でスタートも指揮官はスケジュールの都合で不在。同２４日に初視察し当時、育成選手だった原口を直接指導。「（若手で）一番振れるぐらいじゃないか」と将来の大砲候補として期待した。 　▼矢野燿大監督　１８年１０月２３日、甲子園での全体ミーティングで前年最下位からの巻き返しへ「出た数字は変えられない。先のことは自分たちの努力や、心の持ち方で変えられる」と強調。ヒーローインタビューの改善も推奨し「自己発信をしてほしい」と熱く訴えかけた。 　▼岡田彰布監督　２２年１０月２４日、甲子園での練習前の円陣で「１年目から優勝を狙いに行く」と宣言。オリックス監督時代から「アレ」で代用している「優勝」を初日限定で使用。１４年ぶりの虎指揮官ともあり「見て確認しないといけないことの方が多いよな。直すよりもな」と観察に専念した。