え、本物の写真じゃないの!? マルケス選手の“ホンダ卒業”ヘルメットが異次元のカラーリングだった
先日開催されたモーターサイクルショーにて、SHOEIのブースに興味深いヘルメットが展示してあった。マルク・マルケス選手本人が実際に使用したヘルメットである。ホンダを卒業する最終戦の2023年バレンシアGPで使用されたもので、卒アルならぬ卒ヘル。ホンダでの11年間がまるで卒業アルバムのようにデザインされていたのだ。 【画像】マルケス選手の“ホンダ卒業”ヘルメットをギャラリーで見る(9枚)
最近の水圧転写技術はとにかく凄い!
マルケスといえばホンダ、ホンダといえばマルケスというイメージを持つ人も少なくないと思う。 今回展示されたヘルメットを見ると、まず目に入るのは天頂部に大きくプリントされた「感謝」の文字。絶妙にゆるい文字デザインなのが存在感をより強めており、中心に添えられたスペイン語でありがとうの意を持つ「gracias(グラシアス)」とのフォントも微笑ましい。 そんなマルケスの優しい人柄が感じとれるデザインは、長年レースを共にしてきたホンダへも向けられているのかもしれない。 注目なのはヘルメットの各所に“貼られてる風”の写真たちだ。数枚のチェキがヘルメットを彩っており、過去ホンダでタイトルを獲得したシーンなど今までにマルケスが活躍した名場面が写し出される。パッと見は黄色いテープによって写真がヘルメットに貼られているようにしか見えないが、これ実は全てが水圧転写による施工なのだという。 水圧転写とは、水面に絵柄のフィルムを浮かべ、そこに沈めたものに絵柄が転写されるという製法。ヘルメットには綺麗に実写として写し出されているだけでなく、黄色いテープもまるで本物かと思ってしまうほどリアルだった。ヘルメットに水圧転写技術が用いられることは一般的だが、ここまで鮮明に写し出せるとは素直に驚き。なお展示のヘルメットは参考出品のため、今後販売の予定はない。 一般ユーザーのヘルメットでもここまで鮮明なデザインができるのであれば需要がありそう。今回展示されたマルケスのヘルメットで水圧転写が持つポテンシャルの高さを実感することができた。