滑川の海、大胆に表現 滞在の金沢美大院生ら 田中小旧本館で成果展
若手芸術家3人が滑川市に滞在し、地域の自然や伝統文化に触れながら創作に取り組む「滑川アーティスト・イン・レジデンス」の成果展は24日、加島町の国登録有形文化財・田中小旧本館で始まった。約3週間の滞在で浮かんだ発想を基に制作した力作が並び、来場者が作品を通して滑川の風景の魅力を感じ取った。 金沢美大大学院1年の石井佑宇馬さん(23)は滑川の海から着想を得て、南砺・城端の絹布を青く染めた染色作品を披露。彫刻家の中澤瑞季さん(29)は砺波のマツで海と山、町並みをイメージした彫刻を、東京芸大大学院2年の上條信志さん(26)は海とその奥に望む能登半島の映像を映し出した空間展示を制作した。 家族で訪れた滑川市内の会社員布目愛子さん(32)は「何げないと思っていた滑川の風景が魅力的に感じられた」と話した。石井さんは滞在が作風によい変化を与えたとし「今までにない大胆な表現に挑戦できた」と手応えを語った。 開会式では、田中小OBの水野達夫市長が「関係人口増加の一助になるとうれしい」と期待を寄せた。成果展は9月1日まで。27日は休館。