ハーレーダビッドソンと過ごした南アフリカ【2】
南アフリカには『ビッグ5』と呼ばれる野生動物が生息している。ライオン、アフリカゾウ、バッファロー、ヒョウ、サイ。『ビッグ5』の由来は、かつて、入植した白人たちがハンティングを楽しんだ時代の名残というが、現在は、南アフリカの紙幣にも描かれ、国を代表する動物となっている。そんな野生動物たちに出会える場所がクルーガー国立公園だ。ここでは、ハーレーを降りて、サファリツアーへと出かける。ちなみに猛獣と言えば、ライオンのイメージが強いが、より注意が必要なのはバッファローらしい。現地の人いわく「ライオンは警戒心が強く逃げることもあるが、バッファローは攻撃的だ。気をつけないといけない」だそうだ。
クルーガー国立公園。ここは、なんの餌付けも行われていない野生環境。動物は神出鬼没で、会える確約はない。そのためか、ツアー時間は3時間もある。18時にスタートし、ホテルに戻るのは21時過ぎ。「窓の外には絶対に手を出さない」、「ゾウには、フラッシュでの撮影はしない」など、野生動物への対応をしっかりと聞かされて出発するから、出会いへの期待も膨らむ。そして出発から10分あまり。サファリバスのドライバーの「ライオン!」という声。薄暗い中、目を凝らすと、ライオンではなく、ヒョウ。それでも、『ビッグ5』の1つに出会えたことは、なんとも言えない感動があった。 ヒョウ以外にもインパラ(鹿に似たウシ科のほ乳類)なども時折、出没。しかし……。結果は、ヒョウ、ゾウ、キリン、サイ、インパラ、ヘビなどとの遭遇はあったものの、『ビッグ5』のバッファローとライオンには会えず。3時間も巡って会えないというのは、野生環境ならではだろう。
“野生の王国”で一夜を明かし、次に向かう先はスワジランド王国を南北に縦断して、南アフリカへ再突入する。再びハーレーにまたがり、スワジランドの“荒れた”道を通過する。スワジランドは南アフリカとモザンビークに囲まれた内陸の小さな国。ここは見渡す限り、放牧とトウモロコシ畑らしき風景が広がる。そして、道路のコンディションは、まずまず“荒れている”。ところどころに大きなスポット。さらに、道幅も広くなく、生活道路のため、人や牛、ヤギたちの近くを通ることになる。ヤギの群れ、牛の群れを避けながら、“ハーレーの群れ”は、スピードを落としてゆっくりと進む。