女子・浜松開誠館が8連覇…男子は藤枝明誠が3連覇…バスケットボール静岡県高校総体
◆バスケットボール◇静岡県高校総体 ▽女子決勝 浜松開誠館60-42市立沼津(2日・エコパアリーナ) 男女決勝が行われた。女子は浜松開誠館が市立沼津を60―42で下し、コロナで中止になった2020年大会を除き、8大会連続8回目の優勝を果たした。新人戦、県総体、県ウインター杯の3大大会では23連覇となった。男子は藤枝明誠が沼津中央を83―59で破り、3連覇。優勝校は8月に福岡で開催される全国総体に出場。男女上位3校に東海総体の切符が与えられる。 **** 受け継がれた連覇の数字を、またひとつ積み上げた。浜松開誠館が市立沼津を撃破してV8を達成。県内高校生相手の公式戦での連勝も「156」に伸ばした。「負けられないという思いはあったと思う。伝統はあるし、全国の切符を取らないと、次がないので良かったです」と、三島正敬監督(48)が追われる立場としての苦しい胸の内を明かした。 強固なディフェンスで相手を封じた。インサイドにボールが入ると、2人がかりでボールを奪うなど組織的な守備が光った。「ヘルプの練習はやってきた。寄りが速かった」。得点こそ伸びなかったが、普段やってきた守備の成果が出たとあって、指揮官も目を細めた。 厳しいマークの中、U17日本代表候補の後藤音羽(3年)はチーム最多16得点を挙げた。新人戦は右足親指骨折の影響で欠場。3月中旬に復帰したエースは「もっとシュート率を高くして球際にも強くならないと」と、反省を口にした。 全国総体は初の4強入りを目標に掲げる。後藤は「今年はすごくチャンスがあると思う」とキッパリ言い切った。7月中旬にはメキシコで開催されるU17女子W杯の日本代表に選出される可能性があり、チームを離れる期間が長くなりそうだが「みんなと同じ意識を持って臨めるようにしたい」。連覇の重圧から解き放たれた県女王が、全国で旋風を起こす。(塩沢 武士) **** 3連覇にも笑顔はなかった。藤枝明誠の金本鷹監督(33)は試合後「未熟なチーム。鍛錬不足です」と、浮かない表情だった。 試合内容に不満が残ったとしても、野田凌吾(3年)が完全復活したのは好材料だった。昨年の県総体後の練習中、右膝前十字じん帯断裂と半月板損傷で全治8~10か月と診断された男が、中部総体から復帰を果たした。「けがの間、チームを客観的に見られて良かった」。この日は無得点だったが、アシストと守備で貢献。手厳しい指揮官も「野田が入ると落ち着く」と評価した。 全国の前に連覇が懸かる東海総体(29、30日・岐阜)に挑む。優勝した県には、全国高校選手権(ウインターカップ)の出場枠が与えられる。「県代表として狙うのは使命」と指揮官。まずは東海王者の看板を手に入れる。
報知新聞社