シーズンが終わった瞬間、次の年の戦いは始まっている。そのことを肝に銘じろ!【張本勲の喝!!】
オフの過ごし方で犯した大失敗
バットを振ることにかけては自信があった筆者だが、王[右]の練習量には驚かされた
日本シリーズが終わり、プロ野球のシーズンは一区切りだ。秋季キャンプや日本代表のプレミア12などは行われているが、選手によってはオフシーズンへ入っていることだろう。 プロ野球選手にとってこのオフシーズンの過ごし方というのは大切であり、難しい。あれをやれ、これをやれという指導者はおらず、周囲の目もない。ついつい自分に甘くなるし、怠けようと思えばいくらでも怠けることができる。すべては自己管理。まさに自分自身との戦いだ。 私は41歳で現役を退いてからすでに38年が経つが、なぜあれをやらなかったのか、なぜあのとき怠けてしまったのかと、いまだに後悔していることが何十何百とある。オフの過ごし方もその一つだ。 高卒で東映に入団した私は、1年目の1959年からスタメンで起用され新人王を獲得。2年目には打率3割を超え、3年目には.336で初のタイトルとなる首位打者を獲った。そして4年目には打率こそ.333でリーグ4位だったものの、31本塁打と99打点はいずれもタイトルを獲った野村克也さん(元南海ほか)に次ぐ2位。チームはリーグ優勝を果たし、四番を任されていた私はMVPに輝いて、さらに日本シリーズも制することができた。年俸は跳ね上がり、すでに夜の街で遊ぶことも覚えていた私は、どこに行ってもちやほやされるようになった。 そんな環境の中で22歳の若造だった私の「自信」は「慢心」に変わってしまって・・・
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週刊ベースボール