インテルが新型AI半導体発表、7-9月に投入-エヌビディアに挑む
(ブルームバーグ): 米インテルは新型の人工知能(AI)向け半導体を投入する。半導体業界で最も急成長している分野の一つでエヌビディアに挑む狙いがある。
インテルは9日のイベントで、新型AI半導体「ガウディ3」を発表。この半導体はAIに膨大なデータを学習させてシステムの精度を向上させるプロセスの支援と、完成したソフトウエアの運用という2つの主要分野でパフォーマンスを改善させるよう設計されている。7-9月(第3四半期)から広く流通できるようにするという。
AIを活用したさまざまなサービスに対する旺盛な需要を受け、各社はいわゆるAIアクセラレーターの開発を急いでいるが、今のところその需要の大半が向かっているのはエヌビディアだ。インテルのパトリック・ゲルシンガー最高経営責任者(CEO)は、以前のバージョンの「ガウディ」では望んでいた市場シェアを得られなかったと述べており、新型モデルがこれまで以上の大きな影響力を持てることを期待している。
9日の米株式市場でインテル株は朝方の下げから切り返し、一時1.6%上昇。年初から8日終値まででは、24%下落していた。
エヌビディアに挑戦するのは容易ではない。エヌビディアのAIアクセラレーター「H100」は圧倒的な成功を収め、同社の売上高を2倍余りに、時価総額を2兆ドル(約300兆円)超にそれぞれ押し上げた。さらに最近、次世代のプロセッサーデザイン「ブラックウェル」を発表し、業界でのリードを盤石にしようとしている。ブラックウェルをベースとしたシステムは年内には納品が始まると、エヌビディアは3月に説明した。
インテルの評価によると、ガウディ3はH100よりも高速かつエネルギー効率に優れている。特定の種類のAIモデルの学習では1.7倍速く、そのソフトウエアの運用では1.5倍のパフォーマンスだったという。エヌビディアのより新しいバージョン「H200」にほぼ匹敵し、それをやや上回る分野もあれば、やや下回る分野も見られたと、インテルは主張した。