一軍初登板に臨むカープドラ1位右腕・常廣羽也斗が語る課題と手応え
全日本大学野球選手権で大会MVPを獲得するなど、大学球界ナンバーワン右腕の評価でドラフト1位入団した常廣羽也斗。プロ入り後、ここまでは自身の課題と向き合う日々が続いていた。ここでは、二軍で一軍マウンドを目指していた8月に聞いた、ドラ1右腕の独占インタビューをお送りする。(取材は8月上旬) 【写真】栗林良吏とスラィリー、奇跡のツーショット ◆プロ入りを意識したのは、大学野球入りを決めたとき ープロ入りして半年程度経ちましたが、生活や、環境には慣れてきましたか? 「大学時代は野球以外にも集中しないといけないことがたくさんありましたが、今は野球に集中できる環境ですし、慣れてきたと思います」 ー5月7日(対阪神・由宇練習場)は、初の実戦登板となりました。 「練習でも打者を想定しながら投げていましたが、いざ対戦となると、新しく感じることだったり、今までの練習では分からなかったことなど、いろいろ分かりました。その中で自分の課題や通用する部分などが把握できた初登板だったと思います」 ー二軍で7試合に登板(8月8日時点)しています。現状をどう捉えていますか? 「手応えを感じる部分もありますが、打たれる原因を自分で見つけて、改善するためにどうすれば良いのかをコーチの方々と話し合い、それを“機械的”にこなしていく……という作業の中で、取り組んでいることが試合で出せるようになってきていると思います。ですが、一軍で投げられていないということが全てだと思います。また、 欠点があったとしても、結果を出せればそれで良いと思うんです。今結果を出せていないということは、何か足りないものがあるんだと思います」 ー具体的にどういった課題に取り組まれているのでしょうか? 「たくさんありますが、メインはカットボールの精度を上げることです。球速は130キロ台前半ぐらいのスライダー気味で、カットと言えないのですが、 左打者のインコース、右打者のアウトコースにしっかり投げることを意識して取り組んでいます。個人的にはストレートの球威や、投げっぷりも意識しています。球が速くても、手投げになると投手からの圧を打者が感じず、簡単に打たれてしまいますからね」 ープロでも通用すると感じるものは? 「フォークボールですが、それが逆に短所になる部分もあります。早い段階からフォークを使って、決め球がなくなることが課題だと感じます。ですので、フォークをより良い場面で投げられるように、ストレートやカットボールが必要だと感じています」 ールーキーインタビューということで、プロ入りまでについて伺います。野球を始めたきっかけを聞かせてください。 「小学校3年生の時です。野球をやっている友達が多くて、その友達の影響で始めたと思います」 ー中学では“大分リトルシニア”でプレーされたそうですね。 「中学校で普通の部活に入って軟式をやるつもりだったのですが、小学校の時の監督に『リトルシニアの練習会に行かないか?』と誘われて、初日にリトルシニアのコーチの方が、17人いるメンバーたちに、『18人目の仲間や!』と紹介されて、入るしかないという感じでした(笑)」 ー小学生の頃からずっと投手ですか? 「高校までは投手と外野だったり、中学校の時は内野もやって、 投手だけになったのは大学からです。その都度、チーム状況に合わせていろいろ守っていました」 ー高校は大分舞鶴高に進学されました。 「大学に行きたいという思いが強かったので、一番大学に行きやすい高校はどこかと考えて、大分舞鶴高にしようと思いました」 ー思い出に残る試合はありますか? 「高校1年の夏の大会で初めてベンチ入りして、登板の機会をもらったんです。4球投げて2者連続ホームランで降板したのが高校デビュー戦なのですが、これが一番記憶に残っています(苦笑)」 (後編へ続く)
広島アスリートマガジン編集部