スダチたっぷり、だししょうゆ マルセン醤油(山形)、来年2月発売・果汁加え、爽やか酸味とうまみ
しょうゆ・みそ製造のマルセン醤油(しょうゆ)(山形市、伊藤孝社長)は、だししょうゆに徳島県産のスダチ果汁をたっぷり加えた「究極のすだちだし醤油」を開発し、来年2月に発売する。海外展開を目指し、全国各地の特産品と組み合わせる同社の「地方×地方プロジェクト」の第1弾。同社5代目後継ぎの伊藤悠介さん(25)は「しょうゆの食文化継承のため、消費者の選択肢を広げたい」と話す。 同社の看板製品「味の大名醤油」に、150%の比率でスダチ果汁を配合。一般的なかんきつ果汁入りしょうゆの約7倍の果汁量に相当するといい、爽やかな酸味とかつおだししょうゆのうまみが引き立つ味わいに仕上げた。刺し身や冷ややっこのほか、芋煮との相性も抜群という。 伊藤さんは明治大農学部在学中の2020年、スダチ農家の手伝いで徳島県に短期滞在し、刺し身やみそ汁など、幅広い料理にスダチを活用する食文化に触れた。「このスダチをだししょうゆと組み合わせたら絶対においしい」と直感し、徳島で味わった感動を再現しようと商品開発に乗り出した。
国内のしょうゆの消費量は減少する一方、海外ではすし人気の高まりとともに需要が拡大しているという。プロジェクトは全国各地の自慢の味と組み合わせ、その感動を全世界へと広げていくことで業界や地方の活性化につなげる狙いもある。伊藤さんは「100年後もしょうゆ文化を継承できるよう多くの人に広め、プロジェクトを通して職人たちにもスポットライトを当てたい」と話した。 180ミリリットル入りで800円。県内スーパーや同社ECサイトで販売する予定。取り組みを周知しようと、クラウドファンディング(CF)サイト「マクアケ」で来年1月20日まで資金を募っている。問い合わせは同社023(655)5070。