[山口県]「約1年、長かった」JR山陰線部分運転再開へ 試運転始まる滝部-小串駅間
昨年6月末からの大雨で被災し、現在も一部区間で不通が続くJR山陰線について、JR西日本は7日、下関市内の滝部―小串駅間(15・1キロ)で列車の試運転を始めた。同区間と長門市内の長門市―人丸駅間(13・9キロ)で22日から部分運転を再開するのを前に、線路の安全性のほか、踏切や信号機といった設備が正常に作動するかなどを確認していく。 7日午前に下関市豊浦町の小串駅で、報道陣に最初の試運転列車が公開された。回送列車として下関駅から来た2両編成で、到着した小串駅で運転士や保線担当者ら6人が乗り込んで滝部駅に向けて午前11時に出発。初日は時速25キロ以下で徐行しながら3往復させ、車上から運行の支障となるものが線路にないか確認したり、乗り心地や設備機能を確かめたりした。同区間では約40カ所で被害が発生していた。 長門市―人丸駅間では11日から試運転を開始。いずれも部分運転再開日の前日の21日まで毎日行い、朝から夕方にかけて2~4往復させる予定だ。 小串―益田駅間を受け持つJR西日本下関保線区長門管理室の原田智美室長(60)は小串駅で取材に応じ「(運転を再開する区間の)工事は全て終わったが、安心して乗っていただけるように試運転で最終的な点検をしていく。せっかくある線路なのに活用できていなかったのは、事業者として残念に思っていた。約1年、長かった」と語った。 山陰線は鉄橋が傾いたり、土砂が崩れたりするなど計69カ所で被害が発生し、長門市―小串駅間(50・6キロ)が不通に。このうち、大きな被害が出て復旧に時間がかかる粟野川橋梁(きょうりょう)がある人丸―滝部駅間(21・6キロ)を除く区間で22日から、通学時間帯を中心に運行が再開される。滝部―小串駅間は下関駅までとの直通で上下計16本、長門市―人丸駅間は同12本(平日以外は11本)を走らせる。 JR西は、人丸―滝部駅間について2025年度中の運転再開を目指している。一方、長門市―小串駅間で運行している代行バスは乗客の乗り換えを少なくする観点から、22日以降も時刻や運転区間を一部変更した上で継続する。