【詳細分析】日テレ政治部が100人アンケート「石破政権いつまで続く?」…参院選まで継続が最多。野党も継続を望むワケとは?
■野党の本音(2):「少数与党の中で求められる、野党の戦い方」
「石破総理の首(=退陣)なんていらないし、取りにいかない。まだ野党が総理の首を取りたがっているという前提自体が、いまの国会状況においてナンセンスだ」国会運営を取り仕切るある野党幹部はそう力強く答えた。その人物が続ける「我々の要求を与党にどれだけのませるか、それが問題だ」。 今回の取材で新たに浮かび上がったのは「少数与党国会」での野党の戦略の変化だ。通常、国会で野党は首相退陣を迫ることが多いが、「従来のスタイルは古い」との声が出ている。 臨時国会で野党側は与党側に協力する条件として、自らの政策を受け入れさせ法案に反映させた。立憲民主党は補正予算で「能登の復旧・復興費用1000億円積み増し」を与党側にのませた。国民民主党は「年収103万円の壁の引き上げ」で、日本維新の会は「教育無償化の協議」で与党側と合意した。それぞれの野党が、自らの政策を相手にのませる「果実」を得た形だ。 ある野党幹部も「石破首相には野党の意見を聞くという姿勢もある。内閣不信任案含め、それを見て対応を決める必要がある」と指摘した。少数与党で野党が求めるのは「首相の退陣」でなく「野党の政策の実現」に変わった面もあり、結果として多くの野党議員の「首相が参院選まで続く」という見方に繋がったと言えそうだ。
■ポスト石破は?高市氏・小泉氏おさえ1位は林芳正官房長官
ポスト石破100人の中で36人が、石破首相は春頃か6月末で退陣すると予想した。その場合「ポスト石破」は一体、誰なのか。 今回トップに立ったのは、林芳正官房長官だった。次点で総裁選でも2位だった高市早苗氏、その後に小泉進次郎氏、小林鷹之氏の2人が続く形となった。他には、茂木敏充氏、加藤勝信氏、岸田文雄氏などの名前も挙がった。 なぜ、林氏を「ポスト石破」と目する人が多いのか。取材の中で目立ったのは、林氏の“ピンチヒッター”としての実力と経験だ。林氏はこれまでも農林水産大臣、外務大臣、官房長官を歴任しているが、前任者の突然の辞任などで緊急登板したものである。ある自民党の閣僚経験者は「毒にも薬にもなる。世論は沸かないかもしれないが、党内をまとめる力がある」と、経験と実力のある林氏の「幅広さ」に太鼓判を押す。官僚からも「そつなくこなせそうだ(防衛省幹部)」などの声があった。 一方、総裁選で2位だった高市早苗氏には、近い議員から「春に総裁選があると見越して準備している(自民中堅)」など推す声が出た。そして野党側からも「知名度もあり、女性初の首相として選挙に勢いを持たせようとするのではないか」(立憲ベテラン)などの見方があり、野党の中で最も声が多かった「ポスト石破」となった。一方で、与野党から「保守によりすぎることで選挙には不利になるのではないか」という声も聞こえた。 ◇◇◇ 30年ぶりとなる少数与党国会で、石破政権はどのようにして次々訪れる難局を乗り切るのか。そして野党は、参院選を見据えてどのように石破政権と対峙していくのか。「嵐の前の静けさ」ともいえる年末年始の小休止を経て、通常国会は1月24日にもスタートする。